筋トレジム

 ここはジム。何の変哲もないただのスポーツジムだ。


 俺はたまにここに通っては、筋肉ちゃんをひたすらしごいている。今日は上腕二頭筋ちゃん、上腕三頭筋ちゃん、上腕筋ちゃん、そして前腕筋群ちゃんを鍛える予定だ。


「やっ、安達。久しぶりだな」


「あ、貴方は平坂じゃん」


 話しかけてきたのは平坂進。近所に住む大学生。それと同時に同人誌仲間(どうし)である。


 何気に久々な登場だ。高校生と大学生な上、同人誌以外で会う接点も少ないので、レアキャラと化している。


 ここだけの話、彼が所属している大学に受験をしようと考えている。指定校推薦で。それが叶わなくても受験する予定だ。


 同人サークルに入りたいからである。勉強は苦手だが、そこはもう頑張るとして、何がなんでも入りたい。


 話を戻して、平坂進は最近太ったということを気にして、ジムに通うようになったらしい。


 からしの人権を認めろと言っていた頃に通い始めていた。


「はい。これが莉奈から許可もらって撮った全体図の写真ね。ふりふりスカート姿の」


「莉奈さんの太もも太っ!」


「本人はコンプレックスらしいから」


「女の子の太ももは太ければ太いほどいいのにな」


「莉奈本人には到底言えないけど、それなー」


「ハァァァァァ。莉奈さんが妹だったらなぁ。私の生活もきっと華やかになっていたのに」


 平坂進は妹という概念が好きである。双葉莉奈を妹にしたいと思っている異常者だ。今も、妹を作ってほしいと高齢の親に頼んでいるらしい。


「平坂は妹狂信者だったもんなそういや。業が深いな」


「男の娘好きな安達にだけは言われたくない」


「勘違いしないでほしいけど、男の娘が好きなわけではない。女装男子好きなだけだ」


 似たようなものだけどなと平坂は言った。


「男の娘関連で思い出したけど、先日パンツ一貫のおじさんと知り合ったんだ。男の娘が異常に好きな人でね。私には理解できなかったけど、大樹くんなら意気投合するんじゃないかな」


「ええ。なにその変態……パンツ一丁ってなんだよ」


 それよりパンツ一丁のおじさんに既視感というか、どっかで会ったような違和感を感じた。気のせいだろうか?


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