人間だった青年・マオ。彼が転生した先はゲームの世界、それも魔王の体だった!
となると魔王としての職務(?)を全うするのかなと思いきや、マオくんはそれどころじゃありません。このゲームには彼の最推しがいたんです。それが聖女フェリス。
しかしフェリスはフェリスで何故かゲームのストーリーにはない闇堕ちをしていました。
さて、マオくんもびっくりのこの展開ですが、むしろ彼には好都合。何せこの世界では魔王は悪で、聖女はそれを討つ勇者の仲間。本来なら敵同士ですが、相手が闇堕ちしているので手を取り合える。まあ、マオくんの推しっぷりからすると敵同士でもそれはそれで推しの(敵意ある)視線が自分に!と喜べそうなのですけれども。
そして闇堕ちしてしまったフェリスですが、君本当に闇堕ちした?ってくらい明るいです。なんだったらやりがい搾取なブラック労働環境から解放されてとても生き生きしている。しかもマオくんは人間時代にパティシエ志望だったものですから、彼に美味しいスイーツをどんどん与えられてとっても幸せそう。
君達もう美味しいもの食べて楽しく過ごせばいいじゃない!と思うのですが、そうもいかないのがこの世界。というかフェリスとその元仲間達。
闇堕ちしたフェリスは世界に復讐するんだと息巻いております。そして彼女の元仲間達はそんな彼女の命を狙います。仲間だったのにやる気満々です。おいおいフェリスの堕ちっぷりなんて可愛いものじゃない、と読んでいて思うのですが、彼らの様子に納得いかないのは転生者としてこの世界を知るマオくんも同じ。
そもそもフェリスが闇堕ちするだなんてストーリーにはなく、そして堕ち具合も非常に中途半端。
しかもそのフェリスの様子もなんだかおかしくて……?
闇堕ちして復讐に燃える聖女と、彼女をお手製のペンラをふりふりして応援する魔王。
コミカルでシリアスな復讐劇、お楽しみください!
無実の罪を着せられて、処刑されそうになった聖女フェリス。
そんな彼女を助けたのは、なんと魔王でした。
この魔王、なぜか立場上敵であるフェリスに優しい。
それもそのはず。実は彼は、別世界からの転生者。
元いた世界ではフェリスの物語はゲームになっていて、彼はフェリスのファン。
異世界転生してフェリスと会えるなんてと、感激しています。
フェリスは魔王の言ってることの意味がよくわからないけど、とりあえず味方なのは確か。
魔王を仲間にしたフェリスのすることはただ一つ。それは自分を裏切った世界への復讐です!
フェリスも魔王も可愛くてコミカル、それでいてフェリスを狙う者達との戦いや彼女のおかれた運命は、意外にシリアスで、時にほっこり、ハラハラしながら読み進めました。
闇墜ちした聖女と、彼女を推す魔王の愉快な復讐劇を、お楽しみください。
32話、10万8千字ほどまでを拝読してのレビューです。
聖力を搾取され続けていたことに気づいた時、聖女の中に生まれた闇力――。
信じていた価値観の崩壊により聖女フェリスは思うのです。
「んもう! 世界なんか滅ぼしちゃうんだから!」
プンスコするフェリスを「推す」と宣言して助けたのは、この世界に転生してきたと言い張る少年。でもその正体は、封印したはずの魔王!?
闇堕ちしたのに、強すぎる聖力に引きずられて美しい花を降らせるぐらいしかできないフェリス。
推しにお菓子を貢ぎ、餌付けする魔王。
この二人の掛け合いが楽しいです。またなんといっても魔王のヲタ芸が……聖力をこめて光らせたペンラを振る魔王とかありますか。
日本で生きていた時より切れのある動きができる、と満足げなのは魔王としてどうかと思います。いいぞもっとやれ。
そして魔王城にいる仲間たちが良い!
私はサイクロプスのメメちゃんと友だちになって台所に入り浸りたいです。それで時々霊子さんに悲鳴をあげさせられるの。楽しそう。
――そんな暮らしに癒されつつあったフェリスですが、かつての仲間・勇者パーティーに命を狙われます。闇堕ちした、というそれだけの理由で。
しかし勇者たちのその行動にも何か裏があるような?
そしてフェリスの中に巣食う闇の正体とは?
そろそろ物語が大きく動きそうな予感に目が離せません。
軽い文体でスルスル頭に入りますので、今から一気読みなどいかがでしょうか。
さあ皆さまご一緒に、Let's ペンラ!