悪夢
鈴音
悪夢
カフェの一角。目の前の友人が憎くて仕方なかった。幼い頃同じ夢を語り合った友人が。
表向きは仲良しを装っているが、裏では自分の悪口ばかり。悪い評判は会社中に広まり、出社するたびに悪意に満ちた目が自分に向けられた。それに耐えられず会社を辞めた。
だが、友人は同僚に好かれ、出世していく。自分は置いて行かれた。そればかりではなく、全てを失うことになった。転職も上手くいかなかった。求人誌には赤いペンで自分を否定された証が増えていく。
また自慢話。そして幼い頃の話。あんなことをした癖に、まだ幼い頃の夢を語っている。一緒に叶えようと。
正直我慢の限界だった。睨みつけながら自分のお代だけを叩きつけて外に出る。みじめだった。速足で歩いていると肩を掴まれる。振り払って逃げるように走って帰った。そして、ネクタイをギュッと締めて「外」に出た。悪夢を振り払うように。
悪夢 鈴音 @suzune_arashi
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