走れメロ美

祖師谷鯛造

第1話

メロ美は桜咲高校2年、陸上部エース。

ショートカットの髪が風に揺れ、ピチッとしたランニングウェアがスタイル抜群のボディラインを際立たせる美少女だ。

校庭を颯爽と走る姿に、男子部員は「メロ美のダッシュ、マジ天使!」と鼻息を荒くする。

性格は負けず嫌いで、親友のセリ菜とは姉妹みたいに仲良しだ。

ある日、街のショッピングモールでセリ菜とタピオカを飲んでいたメロ美。そこに、不良グループのリーダー、ディオンが登場。金髪にピアス、胸元がチラ見えする緩いシャツで「この街は俺のルール」とイキってくる。

メロ美、正義感が爆発した。

「ディオン、ダサいイキリやめてよ! そんなんでモテるわけないじゃん!」

ディオンは、顔を真っ赤にしてメロ美をアジトに連行する。

「ナメた口きいた罰だ。3日後の夕方6時までに、街の反対側の希望ヶ丘公園の大時計の下に、俺の大事なチェーンネックレスを届けろ。失敗したら、セリ菜を俺の専属マネージャーにして、毎日俺の隣でキラキラさせんぞ!」

「メロ美、信じてる! 絶対助けて!」セリ菜は震えながら叫んだ。

メロ美は、ディオンの色気たっぷりの目つきに一瞬ドキッとしたが、すぐに気を取り直した。

「ふん、ネックレス届けるくらい、陸上部のエースには朝メシ前! セリ菜、待ってな!」

ディオンはニヤリとした。

「ただし、俺の舎弟たちが仕掛ける試練をクリアしろよ。失敗したら、セリ菜は俺の隣でピッタリくっつく運命な!」


最初の試練は、商店街の「激辛タコ焼き屋」。

ディオンの舎弟が「10個の超激辛タコ焼きを5分で完食しろ!」と挑戦してきた。

メロ美のユニフォームは汗で少し透けて、舎弟たちが「うお、マジでスタイルいいな…」とチラ見する。

メロ美は気づいて顔を赤らめつつ、「見んなよ、変態!」と一喝する。

涙目でタコ焼きをガツガツ食べ、ギリギリ完食! 舎弟、渋々スタンプを押しつつ、「次はもっと熱いぜ」とニヤついた。


2日目の試練は「急坂ロード」。

ディオンの舎弟たちが自転車で追いかけ、妨害してくる。メロ美のランニングウェアはやはり動きに合わせてピタッと張り、坂を登るたびに汗でキラキラする。

舎弟の一人が「メロ美、いいケーキ食わね? 休憩しよーぜ」と甘い声で誘惑する。

メロ美は「セリ菜のためならケーキよりダッシュ!」と振り切り、華麗に坂を制覇した。

「ふぅ、誘惑なんかに負けないんだから!」


最終日、希望ヶ丘公園までの道は繁華街のど真ん中。

試練は「人混みをかき分け、時間内にゴールすること」

ディオンの舎弟たちが、メロ美の気を引くため細マッチョイケメン風にキメたポーズで邪魔してくる。

「メロ美、俺とデートの方が楽しくね?」とウィンクする。

メロ美は耳まで赤くなりつつ、「セリ菜の方が100倍大事!」と叫び、人混みを切り裂いた。

だが、ゴール1キロ手前で大雨! ユニフォームがびしょ濡れで、体のラインがくっきりしている。

通行人の熱視線を感じつつ、メロ美は心の中で叫ぶ。「セリ菜、信じてて! メロ美、絶対負けない!」

雨で滑る地面を、陸上部の鍛えた脚力で突き進む。セリ菜の「メロ美、かっこいいよ!」という声が脳裏に響き、最後のフルスプリントである!


夕方5時59分。希望ヶ丘公園の大時計下で、ディオンが腕組み。セリ菜はドキドキしながらメロ美を待つ。時計の針が6時に迫る瞬間、メロ美がびしょ濡れで登場!

ネックレスを掲げ、「ディオン、約束守ったぜ! セリ菜を返せ!」と叫ぶ。

ディオン、濡れたメロ美の姿に一瞬ドキッとしたが、渋々「…やるじゃん。セリ菜、返してやる」

セリ菜はメロ美に抱きつき号泣した。

「メロ美、めっちゃカッコいい! 濡れてても超キラキラしてるよ!」

メロ美はヘトヘトになりつつも笑う。

「ふっ、陸上部のエース、なめんなよ! セリ菜、遅刻しなくてよかった!」


後日、メロ美の「走れメロ美伝説」は学校中の話題になった。ディオンは不良グループを解散し、なぜかメロ美の陸上部の応援団に。メロ美は校庭を走りながら呟く。「走るのって、自由でドキドキするよね。次は何の試練も、ぜってーぶち抜く!駅前のカール君像のように」



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走れメロ美 祖師谷鯛造 @taizo_soshigaya

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