ある高校で起きた一連の怪談のまとめ

高田 ひで

第1話 高山による序文

西川病院 心療内科医師 高山による序文


この一連の文章は、県立第二高校(仮称)を中心に数年以上に渡って起こった複数の事件の記録をまとめたものです。


県立第二高校というのは、この高校の本当の名前ではありません。この話の性質上、高校の本当の名前を伏せざるを得ないので、私が、仮の名前としてつけたものです。この学校は、私の住む県の県立高校で、地域では、そこそこ有名な進学校であり、おそらく、この高校の本当の名前を書いたら、この地方では、多くの人が知っている高校です。


この高校を舞台に、少なくとも数年以上にわたって怪談じみた不思議な話が繰り返し起こりました。


怪談というのは、多くは、作り物です。しかし、ここで語る一連の話については、本人たちの話を聴く限り、少なくとも本人がなにか異常な体験をしたということ自体は事実と思われます。また、ここで話題にするこの一連の話の多くは、体験者がどこの誰か、が、相当に明確である、という点で、多くの怪談や都市伝説とは異なります。


これらの話は、たまたま、同じ学校の周辺で、お互いに関係ないオカルト体験談が多発したと考えることも可能ですが、これだけの怪異の体験談が多発したとなると、これらの複数の話の間には、なにか、共通する原因があったと考えることも可能です。


ここに公開する一連の文章を読んでいただければわかりますが、私は、この一連の事件には、おおむね、共通する原因があったと考えています。しかし、この文章では、そういった私の解釈をできるだけ入れず、事件の最初の体験者が自分で書いたもの、もしくは、できるだけ体験者に近い立場の人が書いたものを集めて、できるだけそのままの形でまとめました(一部、私自身が書いたものもあります)。ただし、登場人物の名前や地名は、ほぼすべて、仮のものに置き換えました。


ですから、この文章を書いた人は、結構多人数です。


まず、私の西川病院の同僚、内科の青山先生(仮名)、それから、第二高校の保健室に勤務する養護教諭の宮本さん(仮名)、第二高校の一年生のダンくん(本人のニックネーム)、二年生の真島春菜さん(仮名)、それから、春菜さんの姉で第二高校のOGの真島秋菜さん(仮名)が、概ね、この一連の文章の著者、ということになるでしょうか。特に、真島秋菜さんの書いた部分は多くなっています。秋菜さんは、この文章を書いた頃は高校生でしたが、当時、作家を目指していたということでした。この秋菜さんの書いたものをまとめてくれたのが、彼女の妹の春菜さんと、そのボーイフレンド、ということになるのでしょうか?ダンくんになります。


ここに登場する人物たちは、ほとんどが、私がつけた仮の名前ですが、ダンくんだけは、本人が一時期、インターネットの掲示板で活動していたときに名乗っていた名前になります。ここに収録したものと重複するストーリーを、ダンくん名義で投稿していたことがありまして、そこで、本人と相談の上、ダンくんの名前を、そのまま、ここで使わせてもらうことになりました。


私の立場は、これらの人たちの書いたものの編集者、ということになるでしょうか。


これらの文章が書かれた時期は、真島秋菜さんが書いた部分は、おそらく、おおむね、2021年頃。真島春奈さんとダンくん、青山先生が書いた部分は、おおむね、2024年から2025年、ということになります。


これらの文章は、いずれ、もう少しきれいにまとめて、発表しようと考えています。


2025年10月 高山


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