僕は人生で関わる全ての女子を愛することに決めた。

岩山竜秋

まえがき

「お前はモテるわけがない」


そう。僕はこれまでの人生、一度もモテたことがない—


ちなみにこれは大親友の直也に言われた言葉です。

僕は生まれてこの方、一度も女性にモテたことがない。

まあ、恋愛経験とか女性経験がないわけではないが

極端にモテない。

自分で言うのもなんだが小さい頃から

「いつか大事な相手ができた時のため」と両親に言われ

柔道をしており、そのおかげか体はデカかったがいじめられることもなく

どちらかというと小、中と一軍の人生を歩んできたつもりだった。


高校だけ外したからいじめられたのか?と心配になった方もいるかもしれないが

そんなことも特段ない。まあ冗談でも一軍と言える生徒ではなかったが

僕が通った高校はまるで「ごくせん」のような高校だった。

だから別にヤンキーでもなくかと言って先生に迷惑かけてないかと言われると

それは自信をなくすレベルの学生だったので

一軍ではなかったと思う。


ただこれまでの人生を通して言えるのはどの時代も僕は死ぬほどモテたかった。

大親友の直也は「病気の坂口健太郎」とでも言ったところの見た目で

女子には人気だった。

常に学年でぶっちぎりでモテていたと思う。

どうして大親友はモテ続けているのに僕はモテないのだろう。


ある日、僕は恥を捨てて直也に聞いた。


「どうしたら俺もモテると思う?」


すると、即答で直也からある返事が来た。


「関わる全ての人を愛せ」


わけがわからなかった。

関わる全ての人を愛せ?はぁ?


「お前はモテないと思う。男の俺らからしたら優しいし頼り甲斐あるし。だけど多分それって大人にならないとお前の魅力は伝わんないと思う。女子には。だから今はとにかく関わる全ての女子を愛して記憶に残すんだよ。そしたらその時失敗したミスとかダメな行動が必ず将来のお前を素敵な男に変えてくれるから」



僕はこの大親友の言葉が胸に刺さった。

それから僕は関わる全ての女子を愛そう。そう決めた。


一人称が独特の女の子。

国語の授業で号泣する女の子。

ボクシング部で唯一の女子部員で全国制覇を目指した女の子。

先生に立ち向かった女の子。

僕にあることを教えた女の子。

外国から転校してきた女の子。

ゲーセンマニアの女の子。


この話は語り出したらキリがないほどの僕が愛した関わった彼女たちへ綴った

”時を超えたラブレター”をまとめたものである。


この僕の話を読んだ全ての人の記憶の片隅にある

これまでの人生で関わった素敵な誰かを思い出せますように—。






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