第3話

 ※健全な活動をしております。



「それじゃあ、動いてみて?」


「うぅー…………」



「もっと力を入れてー? 大きめの声を出してみてもいいよ、二人きりだし?」


「うぅーー、おおーーー……!」



「もっと声出して気分高めて? それで、先の方まで意識を集中して!」


「うぅーん……、千尋さん…………」



「そんな声出してもダメだよ、まだ早いよ? もっとしっかり動かして?」


「も、もうダメですってば……千尋さん……。これ以上は……、僕、限界です……」



「もうちょっとだけだから。今一番良い所だから。もうちょっと動かして!」


「ダメですってば……! あ、あ、あぁ……、千尋さん……」



 限界が訪れた僕を、お姉さんが受け止めてくれた。


「うん、今までで一番よかったぞ! 限界まで追い込むことが大事だからな、筋トレは!」



 そう。

 僕とお姉さんが何をやっていたかって言うと、ジムでダンベルを持ち上げる筋トレをしているのだ。


 何もイヤらしいことをしているわけではなくて、極めて健全な筋トレをしていたのだ。

 もちろん、変な意味なんて一切ない純粋な筋トレです。


「もう限界ですよ、千尋さん。腕がパンパンです」


「ははは、良い事じゃないか。じゃあ、翔太は休憩だな」


 僕たちは名前で呼び合う仲になっていた。

 というのも、筋トレしている間は名前で呼び合うのが一番力を発揮できるって千尋さんにそそのかされたから。


 だから、名前で呼び合うっていっても、簡単に言えば、ただの筋トレ仲間っていう仲だけど。



「よし、次私の番だから。ちゃんと腰の辺りを抑えて!」


 ダンベルで筋トレをするにも、フォームとかがあるらしい。

 僕が千尋さんの腰を抑えることで、正しいフォームで出来るらしい。あまり筋トレは詳しくないのだけれども、千尋さんが言うならそうなのだろう。


 千尋さんの後ろから、腰に抱き着くようにしっかりと抑える。


「おいおい、ちゃんと抑えるんだぞ? もっとギューーって抱き着くように!」


「は、はい!」



「筋トレ中に遠慮はしちゃダメだからな? 遠慮は、即怪我に繋がるから。私のことを思うならしっかり抱き着け、翔太!」


「はい!!」



「ふぅーーー、いちーー……。にーー……」


 千尋さんは、ゆっくりとダンベルを左右に広げてTの字を作り、それを下げていく。その動作を繰り返している。



 こうして、僕は千尋さんに筋トレを手伝ってもらうことになったのだ。

 筋トレのやり方から、補助までしっかりと千尋さんがサポートしてくれるのだ。

 プロテインも分けてくれたりして、至れり尽くせりだったりする。


 本当に千尋さんには感謝の言葉しか出ないのだけれども、それと同時に、千尋さんの筋トレのサポートをする約束となっているのだ。

 後ろから腰に向かって抱き着いているのだけれども、とても硬い腹筋をしているのがわかる。

 腹筋だけじゃなくて、大臀筋っていうところにも僕は触れるざるを追えない状態だ。


 端的に言えば、お尻です。



 鍛えられた腹筋というのは素晴らしいですし、お尻は鍛えていても柔らかいっす……。



 い、いや!

 へ、変な考え何て思い浮かんではないけれども、女性特有の柔らかさが残った表面の肉の下に、硬い腹筋があるっていうのは魅力的だと思ってしまうのは自然なことであって……。


 夜遅くに、こんなトレーニングに付き合っていると、草食系な僕でも少しムラっとしなくもないわけで。



「きゅぅーーー、じゅうぅーーーーー……!!」


 千尋さんがダンベルを下ろすと、ーセットが終了した。

 僕も掴んでいる力を緩める。


 本当にこんな補助でいいのかって思うけれども、千尋さんは満足そうにこちらを振り向いてくる。


「翔太! ほら、今最高にパンプアップしてるぞ! 触ってみろ!」


「え、あ、はい……」


 相手が嫌な気持ちをしないのであれば、それはセクハラではないらしい。

 だから、これはセクハラではないらしい。

 もちろん、聞くまでもなく、僕も嫌な気持ちはしない。


 上腕二頭筋、上腕三頭筋という筋肉。千尋さんから教えてもらった筋肉はパンパンに膨らんでいた。



「あと、ココ、ココ! 大胸筋!」


「そ、そこは、ちょっと……」



「硬くなってる部分を触って欲しいって言ってんの! 今が一番硬いから!」


「…………」



「硬いっしょ?」


「ちょっと、柔ら…………」


「ん? ココだって、ココ!!」


「あ、はい……。硬いです……。硬い所は硬いです……。柔らかいところも……なくもないっすよ……」



 今日も、夜のジムで健全な筋トレ。

 僕の筋トレブームが到来しています。



 終わり。



 *.˚‧º‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧º·˚.*

 こちらでこの物語は以上になります。ヾ(*´˘`*)

 筋肉が盛り上がったところで(?)終わりでございます。


 ちょっとエッチなラブコメシリーズでございました。

 続きが読みたい等、コメントお待ちしております!



 たまにこういうのも書いていくので、今後ともよろしくお願いいたします!(*_ _)


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 それでは。

 また次の作品でお会いしましょうー!ヾ(*´˘`*)

 *.˚‧º‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧º·˚.*

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深夜のジムにいるお姉さんと、一緒に筋トレする生活。 米太郎 @tahoshi

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