ツインレイ ~あの彗星のように

杉 孝子

第1話 ツインレイ 〜あの彗星のように

  ツインレイ 

    〜あの彗星のように


始まりは交じり合っていた

あなたとわたしは

二つであり一つだった


音もなく

光さえない虚無のなか

時間も距離さえ超越していた


記憶はどこから始まり

どこで途絶えるのだろう

混沌の地での約束は

生まれ出た瞬間に

リセットされるのだろうか


光の尾を引きながら

近づいては離れてを繰り返す


自らが決めた、試練だったとしても

あなたを忘れ、人生の意味さえ忘れ

挫折を繰り返して壊れてゆく


出会いと別れを繰り返し

互いに魂が引き合う一瞬を探して

私のたましいは迷走する


手を伸ばせば

温もりのあるあなたの頬に

甘い香りの髪に触れられるのに

耳元であなたの名前を囁くことができたなら

互いに見つめ合う事が出来るのに

抱きしめることも叶わない……


あの長く尾を引く彗星のように

数百年、数千年先になったとしても

必ず戻ってくる

あなたのもとへ


きっと、戻って来るから


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ツインレイ ~あの彗星のように 杉 孝子 @taka0226

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ