秋にひとり
一閃
第1話
風が急に冷たく感じるようになって…ベランダから見る夕焼けの色も濃くなっていて…
つい最近まで太陽の下で半袖を着て汗をかいていたのにね…
そんなことを感じはじめた秋の夕暮れの薄暗い部屋にポツンとひとり
さっきから友人が恋人との旅のアレコレをLINEしてくる
既読はつけるけど応える気にもなれなくて
「うらやましい~なんて書かないよ」とポツリ
「うらやましいなんて1ミリも思っていないし」とポツリ
誰にも必要とされてない自分は強がってみても脆《もろ》くて…
孤独とは自由と歌われても
救われるのは一瞬で…強くもなれずにいるのが現実で
それでも
また 長い道を独り歩き
また 長い夜を独り越えるんだ
そんな淋しさを抱えている人は自分だけじゃないのはわかっている
だけど やっぱり
淋しさは変わらずにここに
運のせいにしてみたりしてドツボにはまる
秋は人恋しい季節って本当だね
汗をかいていた季節にはなんとか誤魔化せていたものが 急にリアルに迫ってくる
長袖を着ても ホット・ドリンクを流し込んでも 一日の終わりに長風呂して布団にくるまってみても
どこか…暖まりきれないとこがある
気のきいた言葉も 優しい言葉も 勇気づける言葉も持ち合わせていないけど
こんな自分に
そんな秋の夜長を
「独りだけど…独りじゃない
ほら ここにも独りボッチがいるだろう」
秋にひとり 一閃 @tdngai1
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