みかんかご
せおぽん
みかんかご
ひとかご300円か。
安いな。
しばらく果物を口にしていないし、買ってみても良いかもな。
僕は、店員に声をかける。
「このみかん、酸っぱくないですかね?」
店員は面倒そうに応えた。
「大丈夫ですよ。甘いみかんですよ」
なんだ。この店員は、僕は酸っぱくないか聞いているのに。甘過ぎるってのも困るんだよ。僕はみかんに触って確認するほど野暮じゃあない。だから、店員の君を信頼して聞いているんだよ。
「じゃあ、どの籠のみかんがオススメですかね」
「どれも一緒ですよ」
なんだ。この店員はどの籠のみかんも個性があるんだ。どれも一緒だなんてみかんに失礼じゃないか。
仕方ない。出会いは運命に託すべきだ。
僕は、慎重に吟味してひとかご買って帰った。
自宅に帰り、夕食を済ませる。
風呂に浸かり、みかんを思う。
風呂で一汗かいた後、口に含むみかん。溢れる甘酸っぱい果汁。想像するだけでワクワクするじゃあないか。
風呂から上がって、みかんをひとつ手に取る。
鼻に近づけ、柑橘系特有の爽やかな香りを満喫する。ああ、素敵だ。
皮を向き、一房を摘む。
僕は、祈るようにそれを口に含み奥歯で噛み締めた。
「酸っぱい!」
みかんかご せおぽん @seopon
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