天牢閣の双子ーてんろうかくのふたごー

｜半死半生《はんしはんしょう》・｜半飢半渇《はんきはんかつ》・｜半知半解《はんちはんかい》。

　その双子を理解できる者などいない。
　その双子の飢えを満たせる者などいない。
　その双子に死を突き付けられる者などいない。
　
　"腕がなる"と｜豪語《ごうご》した心療内科の腕を折り。
　"目頭が熱くなった"熱血指導者の眉間に｜加熱金属《かねつきんぞく》を垂らし。
　"背筋を凍らせ"恐怖に怯えた看守の内、1人の背中の皮を剥いで骨髄に｜加冷却水《かれいきゃくすい》を注射器を使って挿し入れた。
　"面の皮が厚い"との噂を持つ有名な詐欺師が騙しにきた際は顔の｜脂肉《しにく》共々皮を剥いで悦に浸る。

　
　その姉には躊躇が無かった。
　その弟には容赦が無かった。

　
　そう、この二人には、その双子に…続きを読む