ep.1,7

こちらは先日、

作っていただいた動画から

派生したアナザーストーリー。

https://youtu.be/8DUwsOjiAqs?si=01al_MsR84SIH-IZ


もし、谷橋が「DVゴリラ」からすぐに逃げなかったら。

という分岐からストーリーを始めてみました。




SPY×BANKER ep.1はBCCKSにて発売中

https://bccks.jp/bcck/182009




***




「ねえ、DVゴリラの彼氏来るから…帰って!!」


「え、彼氏、いたんですか?!」


「ごめんってば!帰って」


俺に鞄と上着を押し付けてくる愛香さん。



しかし俺は、その鞄と上着を投げ捨てた。


「い、嫌です。DVゴリラから…愛香さんを守れば…今度は俺のこと彼氏にしてくれるかも知れないじゃないですか?!」


「は? 本気で言ってる?」


「け、喧嘩とか……したことない、けど。女を殴るような奴は最低です。別れたくなるように、俺のが良いなって思ってもらえるように…!!」


「ははは、手ぇ、震えてるよ?」


「そりゃ…怖。怖いよううううう」 


愛香さんの手を握りなおして、情けなく縋り付く俺。



さっき守るって言ったのは誰だよ…?



彼女の手の温もりに、思わず油断して、腰が砕けてしまったが……なんとか呼吸を整えると玄関へ向かう。


「と、とりあえず話してみるんで。その後に…」 


すると、愛香さんは玄関のブーツの中からスプレーを取り出した。


デオドラントスプレーではない。熊除けスプレーと書いてある。


つぎに靴箱の中からはビデオカメラ。

ドアのツリーをずらすとALSOKの呼び出しボタン。


「あのね。私一人で戦う準備、してあるんだあ」 


にへッと笑う愛香さん。


そして、熊除けスプレーのラベルをまじまじと眺める俺からスプレーを取ると、

背後から、上着と鞄を、ポールスタンドのように被せた。


「君がいると、アイツたぶん狂暴化するからさ。私一人の方が上手く扱えるし」


「え、でも…危な。危ないですって」


「あのね」 



俺の手に指を絡める愛香さん。



「アイツとは、別れ話、したいんだ。君と、ちゃんと付き合うために」


「……へ」


「それでも不安っていうんなら。君が期間、被ってて良いって言うんなら」


つま先立ちする愛香さん。


少し顔への距離が縮む。




「お付き合い、申し込こんでも、いい?」




「へ、え、えええ」



「だから。彼氏になってから、一旦帰って? 

 次はちゃんと、彼氏として泊っていってね?」


「え…は、はい! よ、呼んでくださいね!」


頭を下げて、出て行く俺。


玄関先でチューを貰うと、気分はもはや新婚夫婦だった。



***




=冒頭のシーン、プロの声優さんに演じてもらいました=

https://youtu.be/8DUwsOjiAqs?si=01al_MsR84SIH-IZ


エモいので⋯ぜひ、聴いて下さい!!


聞いた方は⋯愛香視点のパートをどうぞ!





***



玄関のドアが閉まる前に愛香は動き出した。


耳に内蔵しているマイクロイヤホンからは敵襲の知らせ以降、交信が途絶えている。



(死んでるなよ?!)



経験上、こういうのは敵襲されて何発かは本人の力で切り抜けて貰うしかない。


その何発かで終わっていたらこちらからの発信はこちらの命取りになる。


声を録音されたら身元の特定に繋がるので、次の発話があるまではパソコンの前で待機するのが一番だった。


仕事部屋へ入ると、敵襲されたメンバー「チョウチンアンコウ」の心拍を確認する。 


最新は90秒前…。


——よかった…ある。


 


顔にウェアブル端末を装着しながら、AI音声で同時変換しながら無事か聞く。


「……なんだ、そのオッサンの声…」


彼は呆れた返事をした。


AI音声を適当に選んだせいで、男性の声になっていたらしい。


とりあえず拘束されているわけでもなさそうなので、安心して地声に切り替える。


「いや、ごめん。アンちゃん。ドローンって何色でプロペラ何枚あった?」


チョウチンアンコウのアンちゃんは、ええと、と目線カメラの映像を送ってきた。それをもとに何社製か、型番を割り当てる…がヒットしない。


最近は3Dプリンタで自分で作れるもんな…と焦っているとアンちゃん先ほどのドローンにまた見つかってしまったらしく、逃げながら鼻息荒く、はやくしろと抗議の声を上げて来た。


(えーーーっと。日本が昼すぎだと…ニューヨークは真夜中…じゃあサーモグラフィ機能着いてるやつが追いかけてきてるのか)


「とりあえず繁華街に逃げて。突き当り左に行けば深夜営業のレストランが増えてくるはず」


(銃搭載のドローンじゃないってことは、そこまで過激な奴らではない…から人ごみに紛れれば…)



——おま! 左、行ったらシンジケートみたいな奴ら待ってたんだけど?!——



私の読みは見事に外れたらしい。 


短く謝ると、一か八かの手段に出る。


あたり一帯のスマホの基地局を乗っ取った。


一斉に災害通報アラートを鳴らさせる。 



マイクロスピーカーから流れる、あらゆるスマホの警戒音の音たち。


窓を開け、何事か外を確認する人も出ているみたいだ。



(あーあー。某国からミサイル飛んでくる設定なんだから。窓開けちゃあ、駄目じゃない?)



しかし混乱は、こちらには好都合。 


シンジケートの奴らのスマホも同じく鳴ったらしく、さすがに目の前のターゲットよりも頭上に落ちてくるミサイルに、一時、指示系統が麻痺したらしかった。


アンちゃんはその機を逃さずに、ドローンに掴みかかり空中でゲットすると、彼らにむかって投げつける。


ドローンは何とか避けたが、その後に続くアンちゃんの小型銃、からの接近戦にシンジケート達は対抗できなかったらしい。


無事に制圧し、顔と指紋の画像を送ってきた。



「えー…やばー。こいつら、国籍日本だわ…なんで…そんな」


「ふつう日本人なら、現地の奴ら雇うのに…わざわざ出てくる理由、なあ?」


アンちゃんと首を傾げていると、すきま風を感じた。



後ろを見ると、谷橋くんが立ち尽くしていた。





***





この後、SPY×BANKER ep.1の

最終ページに入ります。

どうなったかは製品版にてご確認を♪


https://bccks.jp/bcck/182009






一旦おしまいですが

人気なら続きます⋯笑

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SPY×BANKER 花雲ユラ @hanagumo_yura

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