本作はカクヨムで小説の投稿を始めた主人公の、やり場のない心の動きと卵焼き作りとを並べて描いた作品です。
主人公がカクヨムへ初めて投稿した作品には思ったように☆も♡増えませんでした。
望んだ結果を得られなかった主人公は良くない感情ばかりに駆られます。
通知のない画面を何度も開いたり、友人の何気ない一言に傷ついたり。
心が乱れ続けるのです。
やがて気がついきます。
自分を苛むのは自分なのだと。
でも自分だけに、容赦がありません。
深刻なのです。
そして後に、主人公は気がつきます。
〝間違えても、醜くても、こんな自分に優しくできるのはいつだって自分しかいない〟
そう自分の心の動きを自覚します。
いつだって、自分で答えを出すしかなかったのです。
創作と同じで、決めるのはいつも自分です。
本作は、主人公の行動だけを見ていたら、たまご焼きを作りながら悩んでいる人がいる。
それだけの物語です。
でもなぜ〝たまご焼き〟なのでしょうか?
たまご焼き作りは日常の中のことですよね。
作れる人なら自分で出来ます。
小説を投稿した場合の評価はどうでしょう。
作者は、自分で自作を評価できるでしょうか?
小説サイトに投稿する事と日常の行為と並べた演出は巧みです。
投稿とは外へ向かうこと。
評価を決めるのは自分以外。
だから作品を出した後、作者は何もできない。
自分以外の人の行いをあれこれ悩んだって、どうにもできないのです。
そして、主人公はわかっているのです。
悔しいのは、あきらめていないからだって。
そして、またいつもの場所から願う未来へ向かって書くことを始めるって。
ここに書かれているのは、地に足のついた素直な物語です。
開いてみては、いかがでしょうか?
主人公の心の揺れ動きを追ううちに、読む人の心も動き出してしまうかも知れませんよ?
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この感情とこの勢いは、何が何でも肯定しなければならないと思いました。
失礼を承知で言えば、勢いが強すぎてミスが目立つ、かなり粗削りな文章です。
ですが、だからこそ、感情の暴流が、やり場のなさ故に苦悩し、行き場を求めて文章に迸っているのが、バチバチに感じられるのです。
年齢が近しい成功者を目にしたことへの焦燥感。
実際に何者かになりたくて踏み出した第一歩への不安。
現実を知って自信を粉々に粉砕される絶望感。
そして、善意を装い無自覚でプライドを切り裂いてきたことへの殺意。
しかし、それでも自分を否定するわけにはいかないのです。
それはすなわち、筆を折るということになってしまうのですから。
同じ境遇の人はごまんといるからこそ、是非ともそんな人たちに読んでほしい作品です。