赤い部屋

鈴音

赤い部屋

 全てが赤に染まった部屋。床も天井もソファもカーテンも。全てが赤い。

 そこに二人の男女がいた。女は薬が盛られたシャンパンを気付かずに飲んでしまう。しばらくすると目が虚ろになり、男から目が離せなくなってしまった。ハッと我に返ってもまた飲まされる。また男しか見られなくなる。それを繰り返すと女はシャンパンを飲まずとも虚ろな目で男を見つめ続けるようになった。

 そんな女を見て男は満足気な表情を浮かべると女と「踊り始めた」。支配と依存の中で。

 でも、男女は哀れだ。もう一つの「支配」に気付いていないのだから。それは「創作者」と「あなたという傍観者」。この詩が消されない限り、男女は快楽という無間地獄から抜け出せなくなったのである。

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赤い部屋 鈴音 @suzune_arashi

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