時代劇らしいずしりとした重厚な語り口がお見事な本作。
内容も数多の時代劇でお馴染みの、勧善懲悪なチャンバラ活劇です。
話の組み立てが実に奇麗に整っており、テンポの良さが際立ちます。
また、ともすればアクションシーンでついつい擬音の多用などで拙さが出てしまいそうなものですが、そこはご安心いただきたい。
本作はしかと地に足を付け、練りに練られた作品ですので、最初から最後まできりりと引き締まった気持ちで読み続けることができます。
それでいてどこか抜けた雰囲気の浪人の、爽快なまでに技量を見せつける圧巻の大立ち回りが実に良い。
このギャップあるキャラクター性は、使い古されながらもやはりグッとくるものが感じられます。
これもまた時代劇らしさでしょうか。
軽々な文章に物足りなさを感じる活字好きの皆様、是非とも本作似て重厚さ溢れる文章を堪能してくださいませ。