第2話馬鹿による自分壊し

肋骨3本、左鎖骨、脛両方、左手指複雑骨折、

一年後……俺は弱くなった。以前から貧弱極まりない体だったくせにアイツらにめったメタに打ちのめされて、筋肉が衰えた。やっぱ何もしないで体がデカいやつなんて天性の才能レベルなんだなと痛感させられた。

「殺せねえなこれじゃ。……まずは蹴落とされねぇよう鍛えるしかねぇ…か。」

一日目、橋の下に行き、ひたすらに壁を殴る。殴るたびに拳が悲鳴を上げるがこの程度で根を上げてるとツバキのやろうは殺せない。蹴りも入れる。腕立て、スクワット、全力ダッシュ。一分で力尽きるほど衰えるのは醜いこと極まりない。「おぶ…うぐぅ…はあ、まだ、まだだ。」諦めたらまた弱くなる。


        逃げるな。


今日は場所を変えた。この前のアソコは人通りが多くて視線が気色悪かった。ここはいいなぁ、廃墟。こんな場所、旅好きでも見つけれないだろ。「すーー…ぅぉぁあああぁー!」

ドン!ドン!ドンドン!ドン!ドン、ドン。どん…どん…

        逃げるな。


「ぜ、…ぜぇ、ぜぁ…あぐ…げほ……逃げる…な……」

        逃げるな。

奴らを殺すまで徹底的に終わることのない執念は血を作り出し、体外へと漏れ出る。そこまでしてアイツを殺したいと思うのはいいのだ。

だがそれを

 本気で     逃げるな

  理解の片隅にもない    逃げるな

   意味不明な自己中によって

  

         暴走する

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