宿命!運命!くそくらえ!

止ヒ糸ケン(むらさきけん)

第1話世界は許してくれなかった

これが俺への仕打ちか?

今日、学校いちの力自慢野郎に病院送りにされた。なんでかって?俺が弱いんだろうな。弱いやつが社会でいいように使われる。当たり前で、残酷で、真実。それが弱いやつ、一ノ瀬アルキの宿命か。何よりタチが悪いのは、アイツは教師に怒られるだけでことが済んでいることだ。おかしいだろ?俺は先週ムキになって店員を殴って慰謝料払わないといけなかったのに。

「……あー、死ねばいい。」こんな弱いやつは、この世から。

「腹立ってきた。マジで最悪、クソが。くそ!」机を叩いても軽い音しか返ってこない。あーもう、どこまで弱いんだよ。情けねぇ。

「絶対…アイツを殺す。」そう誓いながら壁を殴る。殴る、殴る。何度も、何度も何度も。何度も何度も何度も何度も何度も何度も。血が滲んできた。焼けるような痛みなんだな。「……俺がやろうとしてることは、あっちゃいけないこと。でも、この怒りは治らん。」

「お、おまえ生きてたのか、死んでなくてよかったなぁ。」陽気な金髪頭の男。あの力自慢の男、ツバキ。力がある。それだけでアイツはいつも幸せそうな笑顔をしている。「ママのおっぱいでも吸って元気出たか?ありんこ。」

ぎゃひゃははは‼︎

何笑ってやがる。コイツの言葉は何も面白くないだろ。大体校則で金髪ダメだったよな…「…ツバキさん、ちょっと耳貸してもらっていいですか」「お?お金くれるんか?」頭をアルキの方に近づける。強者の余裕であるかのように。

ぐぐぐぐ…ぶち…光より遅く、それでも風より早く彼の髪を掴み

「金髪ダメだろうが。クソ人間…」

ぶちぶちちち!「いってぇぇあ!」

握力もない手でできる限り髪を抜くことだけに集中し、10、20本抜いて見せた。「中途半端な握力で、中途半端に髪が抜けて間抜けなm字頭の完成だなぁ!」「っテメェ、舐めるなガキ!」

どゴォ!

盛大に鳩尾に拳が振り下ろされ、吐瀉物が出そうな感覚がよぎる。やっぱよけれねぇ…吐き気、痛み、苦でしかない。でも覚悟していた。



……、、ん…気絶…してたのか……「おい、目開けたぞツバキ。コイツ殺すか?」「生かすほどの価値もねえが、痛みは生きてないと感じない。骨砕いとけ。」あ…

「死ぬなこれ…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る