スーパーカブ、異世界を駆ける! 〜祖父の形見が最強の美少女でした〜
@En-En
第1話
高校生の本田兼吉(ホンダ・カネキチ)は、祖父の蔵で古びたスーパーカブを見つける。
埃を払い、整備してエンジンをかけた瞬間――まぶしい光に包まれ、気づけばそこは異世界だった。
しかも、そのカブは人型の少女になっていた!?
「わたくしは本田技研工業製スーパーカブ型式AA01。どうぞ、カネキチ様♡」
カブ子さんと名付けた“世界最強の相棒”と共に、異世界の草原を走り抜ける!
竜をぶっちぎり、魔法都市を疾走し、カブ子さんは今日も全開走行!
――走るたび、風が心を熱くする。
「このカブとなら、どこへだって行ける。」
青春×異世界×バイクの疾走冒険譚、いざ発進!
春の午後。
山あいの町で暮らす高校二年生――**本田兼吉(ホンダ・カネキチ)**は、祖父の遺品整理をしていた。
古い蔵の奥で、埃をかぶった金属の影を見つける。
「……スーパーカブ?」
カバーを外すと、色あせたミントグリーンの車体が現れた。
タンクの“HONDA”ロゴは消えかけているのに、不思議と生きているように見えた。
「じいちゃん、こんなの残してたのか……」
その夜。
兼吉はガレージにこもり、カブの整備を始めた。
キャブを掃除し、プラグを替え、古いオイルを抜く。
祖父の工具が手になじむ感覚が心地よい。
「……よし、頼むぞ」
キックを踏み込む。
カツン……カツン……ブロロロロッ!!
エンジンが目を覚ました瞬間、ライトがまぶしく輝き――
次の瞬間、世界がひっくり返った。
風の音、草の香り。
見知らぬ青空の下に、兼吉は立っていた。
そして――目の前には一人の少女。
銀色の髪、メイド服のような装い。
彼女はまっすぐ立ち、機械のように言葉を紡ぐ。
「わたくしは――本田技研工業製スーパーカブ、型式名AA01。
起動完了いたしました、カネキチ様♡」
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