トドノベルの裏話

我肉(がにく)

エピローグ

トドノベルコンテストに参加した皆さん。

そして、トドオカさん。

本当に、お疲れ様でした。


改めまして、マンガ肉です。


今回このコンテストに参加する上で、色々な苦悩があったので、それを思い出しながら書いていこうかなと思っています。


まずそもそも、私がトドオカさんを本格的に知ったのは、この企画が初めてでした。

ジャンプ界隈に属しているだけあって、『名前は聞いたことある』ぐらいの認識はあったのですが、それ以外はさっぱり。


ただ、小説ブームを迎えていた私に取って、このコンテストはとっても魅力的なものであり、思わず参加を決意してしまいました。


最初は、『第1回全日本乳首当てゲーム決勝戦』と言うタイトルの小説をあげる予定でした。内容はどんなものかと言うと、乳首当てゲームに特化した男、通称『チクビスト』が乳首に感度3000倍の薬を塗りお互いの命と尊厳をかけて乳首当てゲームをするというものです。


ただこれは直ぐに辞めることにしました。

トドオカさんについて調べていく段階で、そういった冗談は好まなさそうな人だというのがわかったし、そもそも初対面の相手にこれを送りつけるのはどうなのか、と思いとどまったのもありました。


次に、物語の軸として『この世にギリギリありそうな職業』を考えることにしました。

ここでは、

・不治の病に罹った人に嘘をついてプライバシー効果で治そうとする『ヤブ医者』

・夢を追いきれなくなった漫画家がその夢を諦める為の存在『添削家』

の二つの案が出てきて、これらをまとめて『はたらくトドオカさんシリーズ』を作る予定でした。しかし、物語とトドオカさんの関係性を作れず、挫折。


そんな中、トドオカさんのことを調べていくうちに出会ったのが、『逃避ドミノ』でした。


ああ、勝てるはずがない。


自分はなんて相手に駄文を送りつけようとしていたのだと、その愚かさを知り、そのままトドノベルの事は忘れようと、つけていたブックマークをそっと外したのです。


数日後。


トドノベルの事が、忘れられませんでした。

書きたいという欲が、抑えられませんでした。


敵いっこないと、分かっていたけど。

それでも、書きたかったんです。


そんな思いに悶々とする中、新しい作品を考える事、数日。

今の自分の状況とリンクするお話を作ろうと思い立ち、『文章を書くのを諦めた自分の尻を叩き強引に書かせてこようとするトドオカさん』をベースに、お話の構造を考えていました。その時は、ホラーの予定でした。

その後、先ほど挙げた『添削家』のアイデアが合体し、「辛口批評と、その圧倒的な実力の二面性を持った『執筆家殺し』であるトドオカさん」のイメージが湧いたのです。


そこから、トドオカさんがヒロインになり、ホラーが青春になり…『執筆者殺しのトドオカさん』が生まれました。


正直、送るのが怖かったです。

辛口批評が、自分の身にも降りかかるのを想像して。

でも、見て欲しかったんです。

ここまでの苦悩を、無駄にしたくなかったんです。

そんな気持ちのもと、送信ボタンを押しました。


翌日。

トドオカさんから引用リツイートが。

それも、お褒めの言葉が。


快楽物質が、溢れる感覚がしました。

その時に、私は3作品を書ききることを決意したような気がします。




◆◇



2作目を送り、そこそこの評価を貰ったところで。

私は送ったことを、後悔しました。

後、1作品しか送れないのか。


そこからは、作品決めに長らく時間を使ったような気がします。


下ネタ×小説の

『捕まったらその場で即書き出し!100人のトドオカから逃げろ!』

ステーキが食べたいトドオカさんとそれを狙う殺し屋のアクションを書いた『TODOOKADAYS』

地獄に落ちた中、良い小説を書いた一人だけが天国に行けるという設定の

『トドの糸』

私の実体験を元にした

『トド注意』

恐れず飛び込んでいけるファーストペンギンである「片平銀」とそんなペンギンを食べてしまうという噂の流れている「東堂織香」が出会って新事業を作ろうとする話

『トドとペンギン』



どれも、上手く書けない。

特に、『トドとペンギン』は良いところまで頑張ったのに…自分が社会経験の無い若造だから、リアリティに欠けてしまって書けなかった。


残るは、2日。

良いアイデアも、出てこない。


…いっその事、ストーリーを考えないでお話を書いてみようか。


ふと、そう思いました。

ストーリーを最初に考えようとするから、出来ないのだ。自分が表現したいもの、出したい雰囲気…そちらを先に決めようとしたのです。


幸運なことに、直ぐに考えはまとまりました。


山奥に住む龍神。文章にコンプレックスを抱く少女が相談しに行く。人との寿命の違いを、悲しそうに語る龍神。夕暮れの刺す中、別れを告げる二人。


少し湿っていて、それでいて澄んだ雰囲気。

それをベースに、私は書き始めました。


日曜には用事があり、時間も限られている。

ほぼ全てが、アドリブでした。


そんな中、打って、書いて、思いを馳せて…

ようやく、『たからばこ』が完成しました。


23:30ぐらいの事だったと思います。

私は作品を貼り付け…送信しました。

もう、恐れはありませんでした。


送った後も、完成させた興奮からかしばらく眠れなかったのを覚えています。





◆◇





という感じで、なんとか3作品を書き切らせてもらいました。

終わった後に他の人のお話を読んでみたのですが、皆さん本当に凄くて、自分との力量の差を嫌かというほど分からせられました。

特に、ぴのこさんの作品は…

ヤバかったです。途中から、冷や汗が止まりませんでした。一般人の作ったものではなく、商業作品として見ても全く遜色のない出来で、現実の行動ともリンクしている。

皆さんが、『トドノベルの到達点』という意味も分かりました。


しかしそんな猛者が集う中…9位を獲得出来たのは本当に嬉しかったです!

あそこに名前を乗せることができて…ものすごく嬉しかったです!

それに、何個か感想も頂けて…それも良い感想をいただけて、めちゃくちゃ嬉しかったです!


…最近はすっかり、Xで『トドオカ』と検索して界隈の賑わいをそっと眺めているのが日課になりました。


これからも、陰ながらトドオカさん達をそっと応援していこうと思います。


本当に、貴重な機会をくれてありがとうございました!!第三回があったらまた参加するつもりです!

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トドノベルの裏話 我肉(がにく) @GUNMANAKI

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