タロット短編
@cattaka
第1話 ルミナの日常【1話のみ】
森の奥深く、小さな小屋でひとり暮らすルミナは、毎日を本に明け暮れて過ごしていた。
魔法や未知の知識に触れることが何よりの喜びで、朝の光が差し込む窓辺に座り、書物を広げるのが日課だった。
外の世界にはあまり興味を示さず、静かで孤独な生活の中で、彼女は自分だけの時間を大切にしていた。
ある朝、ページをめくるたび、知らない魔法の知識が目に飛び込み、胸が高鳴る。
「これは試してみる価値があるわ…」と、静かに微笑みながら、ルミナは小さな魔法の実験を始めた。
最初の試みは思った通りにはいかず、小さな爆発が起こる。
煙が漂う中、ルミナは落ち着いて息を整え、何が起こったのか慎重に観察した。
すると、森の奥から淡く輝く光が揺らめくのが目に入る。
そこに現れたのは、小さな獣――毛も色も形も見たことのない、不思議な存在だった。
目は澄んだ宝石のように光り、胸の奥で静かな鼓動が伝わる。
「……あなたは……?」ルミナが声をかけると、獣は軽く頭を傾け、微かに音を立てる。
言葉ではないけれど、感情や好奇心が直接ルミナに届くようだった。
獣は無邪気に尻尾を揺らし、ルミナの周りを跳ね回る。
喜びに満ちているのに、どこか未熟で制御できない力を秘めている。
ルミナは少し困った顔をしてつぶやいた。
「どうしたらいいかしら…でも、まずは自分でなんとかしなきゃ」
深呼吸して心を落ち着けると、彼女は慎重に行動を開始する。
獣の動きを観察し、光や鳴き声、動作のパターンを確かめながら、自分の魔法と知識でどう扱うかを計画した。
外部の助けに頼らず、自己完結で状況を受け止める――ルミナはそう決めた。
光と影の中、ルミナと獣――未知なるもの同士の、静かで特別な朝のひとときが、森にひそやかに広がった。
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ルミナのタロット
1. 大アルカナ①:女教皇(正位置)
2. 大アルカナ②:塔(逆位置)
3. 大アルカナ③:太陽(正位置)
日常:太陽(正位置)
事件:塔(正位置)
行動:魔術師(逆位置)
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