第五章第2話 怪しい人物と潜入捜査


放課後の学園内。

碧と結は、消えた招待状の行方を追うため、校舎の隅々を調査していた。


「碧ちゃん、まずは昨日の出入り記録を確認しよう」結がメモ帳を広げる。

「うん、鍵を持っていたのは生徒会の人たちと文化祭実行委員だけ……」碧は資料をじっと見つめる。


廊下を進むと、物陰から誰かがひそひそと話す声が聞こえた。

「……怪しい……」碧は小声でつぶやき、結に耳打ちする。

「確かに、音の出どころを確認しよう」結も静かに声を潜める。


音の主は、実行委員の山口と美術部の藤井だった。

「招待状の整理は終わったはずなのに、消えたってどういうことだろう」山口は眉をひそめる。

「もしかして、誰かが勝手に触ったのかも」藤井も心配そうに言った。


碧はすばやく観察する。

「山口先輩と藤井先輩、昨日は何時ごろここにいたの?」

「夕方の5時くらいまで準備してたよ」山口が答える。

「その間に消えた可能性が高いね」碧は納得の表情。


さらに、廊下の床に赤い紙片を発見。

「またこのパターン……警告の紙?」結が指摘する。

碧は紙を拾い、文字を確認する。


> 『明日の学園祭、驚かせてあげる』




「うーん……今回も犯人は“注目を集める”タイプだね」碧はニヤリ。

「でも、規模が大きいから、単独犯ではない可能性もある」結が分析する。


二人は、各クラスや部活に潜入して、招待状の保管状況を確認。

「怪しい人物の動きが見えてきた」碧が目を輝かせる。

「犯人は複数か、一人で巧妙に動いているか……いずれにせよ、次の手がかりは近いわね」結も慎重にうなずく。


こうして、碧と結の潜入調査は、消えた招待状事件の核心に迫る第一歩となった。

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