君色の涙

ちーみや

1日の始まり

私のクラス、6年2組には複雑な矢印が走っている。私の矢印は窓側の一番前の席の律くんに向かっている。律くんはおとなしく優しい。そんな律くんの矢印はどこを指しているのだろう。

「のあ、校庭でサッカーしよ」

そう誘ってきたのは裕翔くんだ。毎日一緒に校庭でサッカーをしている。よく誘ってくれる。ゆうとくんはサッカーが大好きで読む本もサッカーのルールやサッカーのこつの本だ。

 校庭に行くと雨で水たまりができていて使用禁止の札が入り口にかけてあった。

「あちゃ、ごめん、また今度やろ」

 私はそういうおっちょこちょいな裕翔くんもかわいいと思う。でも矢印の方向はやはり律くんに向かっている。

 朝の静かな学校にチャイムが流れた。このチャイムは朝のクラスの時間のチャイムでなり終わるまでに座らなきゃいけない。座っていてもまだ眠そうな子や、朝から元気で活発な人などさまざまだ。私はどちらかというと活発な人だ。

 先生が来て日直の桜ちゃんが

「規律、気をつけ、着席」

を言い、みんなが落ち着くと先生が喋り出す。

「今日は秋山さんが欠席です。それ以外にいない人はいますか?」

みんなが周りを見て全員が無言で前を向いたので先生は

「いないということでいいですね、では今日はもう特にないので秋山さんお願いします」

「これで終わります」

ようやく1日が始まったようだ。

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