「ペットを飼う」ということの、メリットとデメリットを、ここまではっきり示した作品を、私は今まで知らない。
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一見、悪ぶったタイトルからは想像もできないほどに尊い日々が、最初から描かれている。
読者の頬がほころぶ。
だが、この作品はおそらくホッコリさせるためのエッセイではない。
その悪ぶったタイトルは、実際誇張でも何でもない「責務」なのだと知ることになる。
「責務」にまっすぐ向き合うことで得られるものこそが、何かを飼うことの本質であるかのように。
読者の頬は別の何かで崩れる。
命は制御できない。予想できない。気まぐれで、わがままなもの。
だからこそ、簡単にはいかず、だからこそ深く心に染みるのだ。
何物にも代え難い幸福と、何物にも代え難い喪失を、同時に引き受けるということなのだ。
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私はペットを飼ったことは一度もないが、「ペットを飼いたくなりました!」と思わせずに、ペットの尊さを伝えた本作は凄まじいと思っている。