第36話 マスコミ


 いつもの『居酒屋麦わら猫』に入る。

 人は満員でよく予約取れたな。

 2階のボックス席でツネが待っていた。

「よぉ!やっと来たな!」

「いやいや、俺らが待ってたんだよ!」

「だぞ?」

 と言いながら腕まくりをしているツネもさっき到着したみたいだ。

「とりあえず生6つね」

 と注文して。あとはタッチパネルだ。

 色々頼んで待っていると生6つが先に来るので、

「「「カンパーイ」」」

 とグラスを合わせて一気に流し込む。

「ぷはぁ、で?どうなんだ?『氷剣姫』とは」

「クハァ、どうって別に?30階層までは行ったが?」

「ダッハァ、そう言う事じゃないと思うぞ?」

 3人とも生を半分くらい一気に飲んだな。

「一番女っ気があるのがルカなんだからな」

「あのなぁ、あんなお嬢様とは付き合えないって」

「そうか?金はあるしいいんじゃねーか?」

「そう言う問題じゃねーよ」

 と話しながら飲み会は進む。


「で!すげぇの!マジありがとう」

「はいはい、マー坊バク宙したり遊んでたもんな」

「はぁ、覚醒したやつはいいよな」

「年1くらいは見てるのか?」

 とステータスを確認してるのか聞くと、

「ん?そりゃ見てるよ、『鑑定』が欲しいしな?」

 別にそれなら鑑定眼鏡もあるし、そこまで必要じゃないだろ。

 まぁ、話は盛り上がり、また今度という事で店から出る。

 タクシーに乗せて帰らせると俺は次のタクシーを待ってから、中野まで帰る。

 

 マンションの前まで行ってもらい、ふと後ろを見るとミズノがいた。

「あ?だいぶ勝ったみたいだな?」

「そ、そんな事ないです!」

 ハハッ、焦ってるな。

「ここで待ってるってことは見逃したんだろ?ザコいなぁ」

「ば、バカにして!わ、私だってあんなに出なかったら」

「やっぱり大勝ちしてんじゃねーか、じゃーな!」

「クッソー」

 と勝負に勝ったな。


 部屋まで戻ってふらつきながら、ソファーに座ってテレビをつける。

「こいつこんな時間まで頑張るんだな」

 テレビにはカグヤが出ていてコメンテーターをやっている。


 翌日はゆっくりする。

 テレビをつけると菓子パンを食べながらコーヒーを飲む。

 『閻魔』が出ていて愛内のデスサイズが話題になっている。

 何故か俺が特殊ジョブの大物にされていてオーダーで作ってもらったと喋る愛内。

「だぁ!やめれよな!」

 しかも渡航歴がないので日本人という事がバレてるし。


 テレビを消して、

「はぁ、クラクラするな」

 とこめかみを抑える。


 もういい、とりあえずダンジョンに行って憂さ晴らしをしよう。

 ということで外に出るとやっぱりいるミズノ。もう関わるとキレそうなので無視し、車で星3派出所に駐める。

 すると、マスコミやらが大勢いる?

「あ、いた!貴方ですよね!『氷剣姫』とパーティー組んだのは」

 と一斉に囲まれ、写真を撮られ、質問攻めにあう。


「どうやってパーティーに入り込んだんですか?」

「やっぱりお金ですか?」

 と失礼な質問もある。


「……あの、」

 喋ると黙るので、一言。

「一般市民にこの仕方はあなた方にとっての正義なのですか?」

「「「……」」」

 黙り込み少しマイクを下ろすが、

「そんなことはどうでもいい、『氷剣姫』との関係を聞いてるんだ」

 と1人が喋ると同調してくるほかの人間。

「分かった、それが答えだな?」

 俺は真っ直ぐ歩き出す。

「う、あ、うあぁ」

 と俺の前にいた人間が逃げ出す。

「あ、馬鹿!前に行け前!」

 とやはり1人が言うので流石にカチンときて、そいつを睨みそいつの前に行く。

「あ?」

「い、い、いや、あの」

「集団じゃ無いと何も出来ないのか?」

「お、俺じゃ無い」

「は?」

「す、す、いませんでした」

 と尻餅をついて謝る馬鹿野郎は無視する。

 俺はそのまま派出所に入って、着替えて受付に行くと、

「少々お待ちください」

 と言われる。とことん間の悪い奴だな。

「いやぁ、ひっ!」

「あ?お前なんか呼んでねぇ」

 とギルマスに向かって言う。

「す、すいません、う、受付してあげて」

 と受付を促す。

 そのままダンジョンの30階層に1人で入る。


「ウオラァー!!」

『ゴェェッ!』

 と31階層のモンスター、オーガの顔面を瞬歩を使い殴り飛ばす!

 チッ、硬いから拳がイカれたな。

 剣を抜き、刺して魔力を目一杯送ると雷で黒焦げになり消えるオーガ。

「ふぅ、少し落ち着いたな」

 とハイポーションを飲むと拳が癒される。

 ドロップを拾うと、また走って剣で斬りつけ雷を使い倒して行く。

 くまなく走り回りモンスターを倒してドロップを拾って行くと木の影に宝箱を発見する。

「ほぉ、悪いことばっかりじゃ無いな」


 罠がある様で慎重に解除して宝箱を開けると、中には木の実が一つ入っていた。

『オーバーナッツ』……限界突破をする。

 

「お!これが限界突破の秘密かよ!」

 とりあえずマジックバッグに入れておく。

 それからも自分のレベル上げを行って行く。

 ステータス


ーーー

 里見瑠夏サトミルカ  33歳

 レベル95 ジョブ 合成師 

 スキル 合成LvMAX 鑑定 加工 調合 チェック 選択 作成 紫電一閃

 ユニーク 追加効果 

ーーーーーー

 武器……ステータス(力、素速さ、防御、知力、幸運)+3、+5、+10、+15属性(火、水、風、土、雷、氷、聖、)

 防具……ステータス(力、素速さ、防御、知力、幸運)+3、+5、+10、+15、耐性(火、水、風、土、雷、氷、聖、)、俊足、瞬歩、硬化、腕力、剛力、フィット、防汚、軽量化、

 道具……収納(小、中、大、特大)、属性(火、水、風、土、雷、氷、聖、)、結界(小、中、大)、帰還、爆破、麻痺、索敵、鑑定、

ーーー

 ふぅ、今日はここまででいいだろ。スッキリした気分で時計を見ると18時だ。

 30階層に戻りモノリスを使い出口に出るとダンジョンから出る。


 

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