第14話 マジックボックス


 昨日はシルバーファングの毛皮で大変だったので、ネットで木箱を2個買ってみる。

 幅50×奥行き30×高さ32の蓋付きの箱だ。

 とりあえず買ってみてマジック収納ボックスになればいいんだが。


 毛皮はマジックバックパックに入れてある。

 さすがに126枚を置けるスペースはあっても、そのままじゃなんか嫌だった。

 とりあえずマジックバッグはあるので、今日は2階層に降りてみるつもりで朝飯を食った後、ダンジョンに向かう。


 駐車して派出所の中に入る。

 着替えて受付をして中に入っていく。

 今日は『前衛探してます』の子はいなかったな。

 1階層はシルバーファングを倒しながら一直線に2階層の階段へ、下りると今度はロングホーンブルと言う前に角が伸びている牛だ。

 なかなか立派な角をお持ちで、逃げたくなる気持ちを抑え、前に出る。

 だが、ミスリルには弱いようで避けて斬りつけ刺すと、ドロップに変わる。

 角と魔石、たまに皮がドロップするようだ。

 2階層も余裕があるな。

 途中で食事休憩を取りつつ進んでいく。

 倒して行くと3階層の階段を見つけ、一応降りていく。

 モンスターはオークソルジャーで武器持ちだな!


 両手剣、片手剣、槍、アックス、持ちなので倒すと肉と魔石、たまに武器という具合だ。

 とりあえず武器も肉も売れば金になるので倒しながら次の階層への階段を確認したらいい時間になったので帰ることにする。


 それなりに武器も集まったので、肉や魔石を売ると、10万弱になった。

 着替えて外に出るとあたりはまだ18時なのに暗く、日が短くなっている。もう冬なんだな。

 寒いので早く車に乗りこんで家に戻る。

 忘れてた、とステータスを見るとレベルは51になっていて新しいスキルを取得していた。


 『収納』と言うスキルだ。

「これあればマジックバッグも要らないのか?」

 一応『鑑定』してみると、

 『収納』……時間経過無しの異空間へ物を収納できる(100㎥)。

「ふぅ、大きさに制約があるみたいだな。ならマジックバッグと併用するか」

 『収納』は時間経過しないので食べ物や飲み物、マジックバッグはドロップ品などを入れることにする。

 食べ物を用意して『収納』しておくか。


 翌日は、外に出ると歩いてマックやモス、牛丼などを買い込み『収納』して行く。もちろん飲み物も冷たいうちに『収納』する。


 マンションに帰り、合成部屋に向かうと武器を『合成』して行く、『チェック』で追加効果がわかる為、何度もやり直し属性武器にして行く。


 出来たのは、ミスリルソード(水属性)、ミスリルスピア(火属性)、ミスリルアックス(風属性)ミスリルの片手剣(土属性)と一本ずつだ。

 もちろん属性だけじゃなく+で力や素早さなんかも付いているが、鉄製品からなので7回『合成』したことになる。追加効果も7回なのでそこまで+付与はない。


 残りの鉄製の武器はマジックバッグの中だ。

 “ピンポーン”とチャイムが鳴り、出ると木箱が届いた様だ。

 次の日には届くネットショップには頭が下がるな。


 荷物を受け取り早速中に入っている箱を取り出すとまぁ、思っていた様な箱だ。

 ロックを開けて開くタイプの箱。

 これを2つ『合成』、『チェック』で確認すると合板から木材に変わっていて追加効果も『収納(中)』になっているのでそのまま『合成』する。


 これでマジックボックスの出来上がりだな!

 ネットで同じ箱を6つ追加購入する。

 あとは棚だな、棚付きの広めの作業台も一緒に購入。

「よし、これで合成部屋も使い勝手がよくなるな」

 

 昼飯を食べ、ゆっくりしているとスマホに着信がある。見るとツネからだ。


「おう、どうした?」

『お、おぅ、ルカ、ニュースは見たか?』

「お、12億のやつか?」

『だよなー、見てるよな!ほら店長!』

 あはは、ツネが怒ってるな。

 まぁ、2億も出してないのに12億で売ったらそりゃ離れるわな。


「か、代わりました。店長の窪田です。こ、今回のことは誠に申し訳なく」

「あはは、まぁ、安く買って高く売るのが仕事ですもんね?」

『い、いや、さすがにこんな事になるなんて思っていなかったんです』

「いや、さすが一流ブランドはすることがエゲツないね」

『ち、違うんです!本当に申し訳ありません。社長の指示に従っただけで』

「それは『tortie』のトップがやった事だから許せと?」

 うーん、流石に無いかなぁ。


『あぁ、わ、私はどうしようも出来なくて』

『もういいですよ、店長代わって下さい』

 と後ろの方でツネの声が聞こえる。

『もしもし、俺だけど』

「あはは、ツネは何にも悪く無いのは分かってるよ」

『悪い、『tortie』の社長にも抗議するつもりだから』

「んなことしたらツネがやばいだろ?」

『平気だ。流石に卸してくれるルカに悪いし、今後のことにも繋がるからな』

 とツネもキレると何しでかすかわからないからな。

「あんまりキレるなよ?」

『おう!任せろ』

 と言うと通話が切れた。

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