第10話 日曜日
「あー、サッパリしたな」
洗濯をし、掃除機をかけ、久しぶりに家の掃除をする。
ちょうど資源の日だったので空き缶を近くのコンテナに捨てに行く。ちゃんと洗ってすすいで乾かしているので、ビールの空き缶を大量に捨てているが、文句は言われない。
そういえば、あとレベル3で30に到達するのを思い出して車でいつものダンジョンのあるギルドに駐車する。
防具なんかは車に積んであるので、それを持って更衣室で着替えてダンジョンに入る。
1階、2階層は無視して3階層、あとレベル3を達成するために歩いていると4階層への階段を発見する。
「うーん、、、入るか」
と4階層へと足を踏み入れ、モンスターを探すとブラックホーンと言う牛のモンスターだ。
「うおっ!」
いきなり走り出すので最初はびっくりしてなんとか避けると、片手剣で斬りつけて倒す。
まぁ、武器の性能がいいし、たまたまかな?
ドロップは肉と魔石、たまに皮をドロップする。
皮かぁ、初めての素材だが、嵩張るな。
オークの肉を捨ててブラックホーンの肉と皮をバックパックに詰めていく。
途中で木の影に初宝箱を見つけたので『鑑定』をかける、罠はないようなのでサッサと開けると、『俊足のブーツ』が入っていた。
「ラッキーだな」
ダンジョン内で発見されるブーツなどは『フィット』の魔法が最初から付与されている。履いたあとに『フィット』と唱えると密着して、脱ぐ時は『パージ』で大きくなるので楽に脱げる。
どうにか革鎧も欲しいとこだが、そう上手くはいかないなぁ。
ブーツを履き変えると、履いてたブーツは邪魔になるため捨てて行く。ダンジョンが吸収するらしいのでecoだな。
ダンジョンが吸収する物は、人間の死体や装備品、ポーションなどのアイテム。なので家電や家具を捨てても残るそうだ。
「お、速くなったな!」
『フィット』がちゃんと機能しているので走ってみても問題ないな。
そろそろレベルを確認する。
レベルが上がっても音楽なんて鳴らないからな。
「ステータス」
ーーー
レベル35 ジョブ 合成師
スキル 合成 鑑定 加工 調合 new
ユニーク 追加効果
ーーー
5レベルも余分だったか。
それに『調合』がいまいち理解出来ないなぁ。
『鑑定』を使って見ると、
調合……比率などを変えることにより変化する。
「ほぉ、『合成』の時に『調合』すると変化するのかな?」
ちょっと面白そうだな。
ふと時計を確認すると18時?ダンジョンの中は暗くならないから時間の感覚がズレてくる。
「さて」
と、少し考えて見るが、ここからなら5階層のボスを倒した方が早いか?
「あぁ、どっちにしろ面倒くさいから階段探すか」
独り言を言いながら下への階段を探す。
下への階段を見つけるのにちょうど1時間かかった。
手間取ったのでサッサと降りて行くと禍々しい門がある。本当に初心者ダンジョンか?
門に手をついて押して行くとモンスターが一匹。
鼻息の荒いミノタウルスと言う牛の顔で二足歩行するムキムキマッチョモンスターだ。
突進してくるので避け様に斬りつける。
「よっと!」
意外といけるもんだな。
今度はこっちから走って真正面から斬りつけると、仰け反る、効果は抜群だ。
「ウオラァ!」
流石俺製のミスリルの片手剣だ。
それからは避ける斬るを繰り返していたらモンスターは消えて行った。
ドロップは皮と少し大きめの魔石。
宝箱が出てきたので『鑑定』して罠がないのを確認、なかったので安心して開けると『ミノタウロス革の革鎧』が入っていた!
よし!『フィット』の魔法がついてるから脱ぎ着が楽になるな!
「よし、今度こそ帰ろう」
奥にある170cmくらいの黒い石板のようなものを触り『帰還』と念じると1階層の出口付近に帰ってきたようだ。
出口から出て、受付で攻略の証としてドロップの魔石を見せる。
カードが変わり星2に上がった。
まぁ、ランクにこだわらない俺は早く帰りたいオーラを出すが、気にせず通常営業の受付。
新たなカードを受け取り、素早く着替えて車に乗ると、もう21時を超えていた。
車でアパートに帰り、部屋に入ってビールを開ける。
「カハァ!美味い!」
いつものことだが、動いたあとのビールはやはり美味しいな!
外は寒いが暖房をつけて部屋を暖かくし、ロンTに着替えてつまみを食いながらスマホをいじる。
今日はベッドで寝るぞ、とスマホを持ってベッドにゴロンと入るとそのまま寝てしまったようだ。
そして目が覚めたのは5時半。
まだ寝たいと思いながらゴロゴロするが、スマホをいじり出すと目が覚めてくる。
昨日は疲れたようで朝早くに起きてしまった。
6時に起きてコーヒー片手にボケーっとテレビを見ている。
ようやく目が覚めた頃には番組は終わってアニメが始まる。
「よく考えてみたら日曜日か」
ちゃんと日付けの感覚は忘れないようにしないとな。
日曜日と言うだけで休みの感覚だ。
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