嘗て死神と呼ばれた少年は死を偽装して隠匿の日々を望む

　小さな田舎町で幼少期を過ごしたアイン。

　彼はその即死スキルという強力な力のせいで、「死神」と呼ばれ周囲から忌み嫌われ、不遇な幼少期を過ごしていた。

　その発端はアインが5歳の時。
　村を襲った盗賊達おおよそ30人を、初めて発動した即死スキルにより全滅させていた。その様子を見た村の人達はアインに恐怖し、目隠しをして自室に閉じ込められ、孤独な毎日を送っていた。

　村人が恐怖したアインは、誰よりも心優しき少年だった。
　こんな自分に恐怖の感情を向けるのは仕方のない事なのだろう。そう思って現状を受け入れていた。

　村から迫害を続けられていたのは両親も一緒だった。

　仕事に従事することを禁じられ、最低限の食料を供給されるだけの生活。そんなことが10年程続いた春、食料を届けに来た村人により…続きを読む