a.m.
06:23a.m.
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06:23a.m.
目が覚めてしまった。
眠いことは眠いけれど、目覚めはとてもいい。
6時半になるようにセットしてあるアラーム。
私は7分ぶんだけ緊張している、
学校もない日にこんなに早く起きるなんて、私の記憶の中でも数少ない。
学校に行く日ですら、これより1時間は遅いのに。
今日は私にとって、大切な日。
そして、戦争と言っても、過言ではない。
今から3時間かけて、戦う準備をするんだ。
そのためにこんなにも早く起きた。
――誰よりも彼の目に可愛く映るために。
今日のために新しく買ったワンピースを着て。
巻き残しのないように、丁寧に緩く巻いた髪の毛。
いつもよりも念入りに綺麗に慎重に化粧をして。
鏡の前の私は、私ではないようにすら思えた。
「なんか、めっちゃ気合い入ってるね」
「…やっぱりそう見える?」
「うん」
「化粧濃すぎるかな?」
待ち合わせていた友達の友里にも少し引かれてしまうほど。
「普段の
「そんなに似合ってない?」
「そこまでは言わないけど、変」
「変か…」
友里の言葉に落ち込みながら、携帯の反射を鏡代わりに見る。
「まあ早く行こう。遅刻したらうるさそうだし」
「……うん」
早くも失敗したかも、という気持ちにばかり取りつかれる。
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