大賢者サイラスの裏話:英雄伝説の真実は、親友エルフが語る極度にくだらないおとぎ話だった件
ざつ@竜の姫、メゾン・ド・バレット連載中
資料
登場人物紹介
1. フィリアン(エルフ / 語り手)
大賢者サイラスの唯一の親友。現在は片田舎で隠居している長寿のエルフの魔法使い。数百年生きているがゆえの深い諦念と悟りを持つ。
サイラスと盟友たちのくだらない真実を何度も訂正するのに疲弊し、「知らないほうが幸せ」という境地に達している。面倒くさがりだが、弟子には真実を伝えることを信条としており、ティムに達観のレッスンを施す。
口癖は「…本当に、『本当の理由』を聞きたいのかね?」。
2. ティム(人間 / 弟子)
英雄サイラスを心から尊敬し、その真の姿を研究テーマとしてフィリアンに弟子入りした人間の少年。
伝説が崩壊するたびに、研究者として必死に「高尚な裏の意味」を見出そうと足掻き、毎回ポンコツな現実に打ちのめされる。回を追うごとに「英雄も歴史も、所詮こんなもの」という虚無感と達観を深めていき、最終的には自らも壮大な虚構を捏造する側の人間となる。
3. サイラス(伝説の英雄 / 真のコミュ障)
現代において「建国の功労者」「大賢者」として崇められている不滅の英雄。その真の姿は、極度の人見知り、対人恐怖症、潔癖症、羞恥心が強いなど、様々な個人的な問題を抱えたコミュ障の塊。
彼の起こした偉業の全ては、これらの個人的な問題を回避するため、あるいは隠すための行動だった。晩年になっても「リンゴ飴の味の完全再現」という極めて私的な執着を貫いた。
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