第1章 水中と変わらない毎日

今日も五時半に起きた。

なぜなら、学校が遠いからだ。

片道二時間というばかげている通学時間だ。

近くに住めばよかったのではないかと言われれば「そうだね。」としか返しようがない。何も言えなくなる。

どーせ今日もクラスメイトはまだ寝ているのだろう。

家が近いのだから。

やっと電車に乗るころに呑気に起き始めるんだと思うと嫌気がさす。

朝の電車は混む。

幸い、自分が乗るのは自分が乗る最寄りから発車なのでまだマシである。

今日も最寄りの駅まで原付で向かって、そのあと電車に揺られる。

そして、授業を受け夜遅くに帰える。

寄り道はほとんどしない。

だって遠いから。

家ではご飯を食べたら勉強して、息抜きに少しだけゲームやアニメを見る。

そして風呂に入る。寝る。

起きる。ご飯と弁当の準備をする。支度をして出かける。

これがいつもの日常。

これが普通。

変わらないルーティン。




でも、つまんない。

世間という大きな波に流されている気分だ。

いや、実際はそうかもしれない。

けどこの時自分はこの世間という水中から抜け出したくなった。

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