如月神話(澪視点)

にゃんこ

第1話 プロローグ

 学校が終わり、大好きな放課後の時間。私は親友のレイナと共にカラオケの部屋にいた。あの、有名なお店だ。


私はカラオケ部屋で、お手洗いの部屋に行っているレイナを待っている。なんか、楽しい事ないかな〜。


そこで、私は魔法陣が描いてある一枚のメモを見つけた。


何これ、中二病が書いたの?いやでも、こんなに手の込んだもの、しないよね・・・。しかも、さっきまでなくて、突然紙がテーブルの上に現れたし。ああもう、分からん!あとでレイナに聞いてみよっと。


あーでも、QRコードとか?なんか、丸いの作ってみました的な何か?うん、多分そうだ。ちょっと、あとで読み込んでみるかな。


一人で悩んで、自己完結していると、レイナが帰ってきた。


レイナが帰ってきたあと、店員さんに飲み物を頼む。


「ご注文はどうされますか?」


「私は、抹茶ラテでお願いします」


「分かりました。では、そちらの方は?」


「じゃあ、私はハチミツレモンでおなしゃす」


「分かりました。では、ごゆっくり」


「どうも〜」


パタン、と扉が閉まる。


さてと、歌う時はパーッと行こうかパーっと。何歌おうかなー。


「朝霧鈴叶(あさきれいな)様、ご注文の抹茶ラテです。白峰澪(しらみねみお

)様、ご注文のハチミツレモンです。ご注文はこれで全てでしょうか?」


「はい、これで全部です。ありがとうございます」


「それでは、何かあればお申し付けください。ごゆっくり」


「あざーっす」


さて、 歌を決めよう。 うーん、じゃああれにしよう。


「澪、何歌う?」


「うーん、『雪の声』かなぁ」


 『雪の声』。あれ、ソプラノと囁きボイスの切り替えが難しいらしいんだよね。 私は得意だけど。ドヤァ。( •̀ ω •́ )✧


「私は・・・そうだな、『妖精の宴』にするよ」


「オッケー!入力してと。よーし、頑張るぞ!」


「おお〜!頑張れ。サビの部分、間違えないようにね。」


「わかった!スゥ・・・雪が降り積もる森から〜、美しい歌声を〜♪」


よし、ここら辺は完璧!さっすが私!


「上手だね。次は囁きボイスだよ。」


「うん!・・・羽ばたく〜翼、光に向かって〜♪」


 よし、またもや完璧! 点数高かった方があとでアイス奢ってもらうっていう約束だもんね〜。ま、実際はこんな約束してないけど。


「出来た!って、ええ!?床が光ってる⁉︎」


な、何これ!? 魔法陣みたいなやつがある! ...まさかね?


「逃げよう!中二病の変なやつが仕掛けたかもしれない!」


「んなわけあるかぁ‼︎」


スパコーン、と良い音が鳴る。レイナが使ったのは、レイナの万能ハリセン・凛麗扇(りんれいせん)である。なんでこんなハリセンが代々伝わってるかというと、朝霧家は女性がツッコミまくるから。 ついでに、白峰家の人は男女関わらずボケまくる。 しかもこのハリセン、滅茶苦茶痛い。 私は慣れてるからまだ良いけど、他の人に当たると一分くらい気絶するらしい。

 そして突然、足元の魔法陣(かも?)がもっと光り始めた。

最初はうっすらだった光が、だんだんと強くなり ——その眩しさに思わず目を瞑る。

「な、なにこれ!? もしかしてこれ、本物⁉」

次の瞬間、視界が白く輝き、とうとうハリセンで気絶したと思った。

そして、光が消えたとき。


私たちは、そこにいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る