第4話 虎子を得た。

俺が人間並みに弱い理由を、レイスが説明してくれた。

どうやら俺の魔王の力は勇王なる者が奪い、今の地位を確立しているそうだ。

それまでは、魔王がこの世界を支配しており、平和な時代を築いていたらしい。

それを気持ちよく思わない人間族が、何らかの方法で魔王の力を奪い反旗を翻した。

魔王の配下は全員で対処したが、魔王の力を奪った勇王には、歯が立たずやられてしまったと。

ちなみに魔王の配下は、Ⅻナンバーズの他にⅦシスターズと三魔人がいるのだとか。

強さ的にⅫナンバーズの上にⅦシスターズが居て、その上に三魔人がいるのだとか。

レイスはⅫナンバーズのイレギュラーNo.だったから勇王にばれず今に至るのだとか。

「私のナンバーはゼロで、何かあった時のために控えておりました。

魔王様の魂を探すのに時間がかかり、再び転生するまで今日までかかりました。」

「いや、お前はよくやったよ」

俺が力を取り戻すには勇王を倒す必要があるらしいが、また配下を取り戻した所で返り討ちにあう可能性が高い。

「前回は配下が敵になり、味方で同士討ちをしたのも敗因だと思われます。」

「それなんだが、私にはそのような記憶がない

仮にそうだとして、何かの術か魔法なのか?」

シヴェルが疑問に思った表情で聞いた。

「敵の記憶を消し去り操る術を持っていると考えてよいかと」

「それなら俺が触れば記憶を取り戻すことも可能だが、俺が人間並みに弱いせいで近付くことも難しいか」

「はい、配下を取り戻すのも困難な道かと思います。」

ヤバい詰んだ。どうする?

「人間族を味方にするというのはどうでしょう?」

「どういうことだ?」

「人間族の中にも善の心を持った方々もいます。

人間族の一部が、邪な心を持ち反旗を翻したので、他の人間族は傍観の姿勢でいたり反対をしたりしていました。

そういった人間族は裏切り者と呼ばれ追放されたと聞きます。

それにもしかしたら人間族にはその勇王の術に抗うことができるかもしれません。」

朗報だった。吉報か?

虎穴に入って虎子を得た瞬間だった。

「よし、人間族の味方もつければなんとか立ち向かうことができるかもしれない。」

「それが、悪い知らせもあります。」

「なんだ?」

「配下の中にも裏切り者がいまして、自分から勇王の味方になった者もいます。」

悲報だった。

「そいつらは仲間に戻ることはないか」

「はい、恐らくは」

「誰なんだ?」

「三魔人です。」

「は?三魔人全員か?」

「はい、三魔人全員です。」

一番あてにしたい奴らじゃないか

終わってないか?

前途多難とはこのことか。

「他の配下は、大丈夫なのか?」

「それが、確認する手段が乏しく消滅した配下もいるのではないかと思われます。」

う、うーんこれはまいった。

俺が弱いのも前提として詰んでるが

仲間が、少ないのも詰んでいる。

「ひとつだけ方法があります。」

レイスがいつになく真剣な表情でこちらを見た。

ん?

「それはなんだ?」

「待て!あの禁断の秘術をする気か!?」

シヴェルが驚いた表情でレイスに言った。

「それしか方法が残っていません!」

「なんなんだ?その禁断の秘術って」

「進化の秘術です。

それを行えば配下や人間族を進化させる事ができます。」

なんかやべえ術なような気がする

「それは副作用とかあるのか?」

「副作用はありません」

「ん?何が問題なんだ?」

「必要な物は生きる者の魂です。

誰かの命を犠牲にしなければならないのです。」

やっぱりやべえ術だった。

「術自体は、魔王様の身体を通じて行えば可能です。」

「問題は魂か」

「はい」

悪党とかの魂なら気兼ねなく使えるがそう都合よくいるか?

「ただ、弱い魂では進化に必要な条件を満たさないかもしれません」

「それってその辺の盗賊とか雑魚を狩って捧げても無駄ってことか?」

「無駄ではありませんが、雑魚では相当数の魂が進化に必要かもしれません。」

「レイス、私の魂を使え」

「シヴェルの魂を?」

「元々Ⅻナンバーズは、ひとつの存在だった。

それが今ひとつなる時なのかもしれん」

「Ⅻナンバーズがひとつになれば、もしかしたら三魔人に届くかもしれませんね。」


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最低最弱の転生魔王、魔王がこんなに弱くていいんですか? レイスフィー @caffeine0315

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