汝にTSの祝福あらんことを

永久の初心者🔰

第1話 永らくの願望叶う時.....

 皆さんはTSというものをご存知だろうか?

 ご存知の方はご存知であろうが知らない方はTrunkSpace(共用部や玄関脇に設けられた収納スペース)やTypeScript(プログラミング言語の一つ)の省略と思う方々が多いと思う。

 え?そっちの方が分からないって?

 まぁこの際そんな事はどうでもよくて私が言いたいのはTransSexual.....簡単に言うと性転換の方のTSについてということだ。

 急だが私は個人的にTSを至上のものだと考えている.....しかし世間では私のような人間を変わり者と呼ぶらしい。

 まぁ気にしたら負けなので今までそういう言葉には耳を貸さないようしてきた訳だ。

 で、私がこのような事を考えるに至ったのには深〜い、それはそれは深〜い理由があって.....あれは確か数十年程前.....やっぱり長くなりそうだから止めておこう。

 それで私が何故こんな話をしているかということなのだが夢が叶ったのだ。

 どんなって?それは勿論TSだろう?逆にここまでこんな話しといてアイドルになったーだのスポーツ選手になれただったらこれは完全な茶番だ。


「しかし随分とここまで来るのに時間がかかったものだ.....」


 自分の身体を見る。

 肌はガサガサで数日間研究室に籠ってたせいで真っ白だった白衣も所々黄ばんでいて匂いも酷い。

 あ、補足し忘れてたいたがまだ夢が叶い終わった訳じゃない.....今から叶えるのだ。

 夢を叶える瞬間という時は他の人にひけらかして自慢したくなるだろう?

 私だってそうだ。


「あとはこの装置に入れば私の夢が叶う.....いや始まる」


 目の前には澄んだ水色の液体で満たされたカプセル状の装置。

 この装置を作る為に五年も犠牲にした。

 TSするなら手術があるだろって?

 それは真っ先に考えたんだが残念なことに今の私の年齢でTSしても意味がないのだ。

 だからこの装置はそもそもの身体を作り替えるようにした装置だ。

 あと犠牲とは違うなこの夢を追いかけている時間も楽しかった。

 本当に充実した五年間だった.....ん?これだと祝福でもなんでもないって?

 君たちあまり人の夢にそんな野暮なこと言うもんじゃないよ。


「よしじゃあいよいよだ.....」


 装置の蓋を開けて中に入る。


「う〜む.....この液体あまりにもヌメヌメし過ぎじゃないか?」


 正直気持ち悪いな.....この液体を用意したのは確か綺羅野きらのくんだったか?

 ここまで粘度を強くする必要はなかった筈だが.....まぁ仕方ない。

 身体を全て装置の中に沈めて電源を入れる。


『──電源ON──使用者の収容を確認──性転換装置TSメーカー作動──これより七十二時間をかけて体細胞組織の総入れ替え、及び転生作業を行います──』


 はぁあ.....やっとやっとだ.....遂に始まる.....


『error──error──error──error』


 な、なんだ!?

 試乗はしていないが原理上何も問題はなかった筈ッ.....


「先生大変です!清水が悪戯で──ってもう始めてる!?装置は───止まらないッ!.....まぁ装置自体に問題はないしいいか.....」


 西平くん!?

 なんだ?あのに清水くんがなにをしたんだ.....?

 清水くんか.....彼は確かに普段からそういう性格だったが.....西平くん君はあまりに薄情過ぎないかい?


『──使用者への麻酔を投与を開始します──』


 私の意識はヌメヌメの液体の中で消えた。


 〜〜〜


「我が神よ我々はどうすれば良いのでしょうか.....」


 西洋風のお城で玉座に腰掛ける男に初老の男は縋った。

 玉座に腰掛ける男は周りの装飾や世界観とかなりズレておりサングラスに黄色スーツというかなり場違いな格好をしていた。


「え〜この世界そんなやばいことなってる訳?そうだね〜他の世界から人材レンタルできないかサッと聞いてくるわ〜」


 そう言うとグラサン男は懐から携帯機器を取り出すとどこかに電話をかける。


「あのさ〜キルベルちゃん?なんかC-3695FK世界がやばそうなんだよね〜そっちの世界からレンタルってできる〜?うんうん、あーそういう堅苦しいのいいから.....ん?世界の法則に抵触した奴が出たからそいつならいいって?OKOKその子でいいよ.....うっし.....喜んで王様くーん。要請通ったからもうちょっと待っててね〜」


「か、神よ.....それで私たちは助かるのですか.....?」


 初老の男は跪いて震えながら男に問うた。

 神に意見することに恐れていた王は冷や汗が凄かったがグラサン男のノリは軽かった。


「そうだね〜僕等は君たちの世界に干渉できない決まりだからなんにせよ送られてくる人次第じゃないかな〜?」


「そ、そうですか.....」


 王城には冷たい空気が漂っていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 読んでいただきありがとうございます。

 YES TS!新たな物語をよろしくね!

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