少女の母の突然の死。
遺品整理の際に見つけた母の日記。
そこに書かれた一人の男との蜜月の記録。
自らも乱れた異性関係を続けながら、少女は母の真の姿を探り出す。
そして事実と虚構の連鎖に少女は掻き乱され、周囲の大人達への信頼を失っていく。
そんな序盤の展開から、ひとつの事実を知った事で想像もできない展開へと物語は進む。
そして大人になってからのストーリーへと繋がってゆく。
全ての登場人物の行動に背景と思惑があり、緻密に織り上げられた絹の様な関わり合いが描かれる、一人の少女を主軸にした群像劇であり、ミステリーであり、社会を映す鏡の様な物語。
この物語は「自らを大人だと思って疑わない大人」にこそ読んで欲しい。
読み終わった後、きっともう一度自分を見つめ直す事になる事だろう。
突如訪れた母親の死。娘である主人公は、母の遺品整理の中で一冊の日記帳を見つける。そこに書いたあったのは、母の女としての姿った。母も一人の女だった。そして「女」という性に抗えなかった。
そして主人公もまた、母が残した「女」というしがらみから自由にはなれなかった。主人公と付き合っていた男性は誠実だった。しかし主人公の心はある男性に向かっていく。しかしそれは禁断の関係だった。
母も女だったならば、その娘も女だ。そうした点で、「母と娘」という親密な関係は、反転すれば「老いた女と若い女」という緊張関係になる。
果たして、主人公の行きつく先は――?
心理ミステリーを得意とする作者様が細やかな心の機微を拾い上げて描く、もどかしくも切ない物語がここに開幕する。
是非、御一読ください。