第2話

「うま、うま。」


六凪は切り取ったゾンビの腕を丸齧りしていた。

ゾンビの腕は腐臭がただよい、緑色でとても食えたものでもない。


もし俺が真似して食おうものなら、ゾンビになるか

食中毒で死んでしまうだろう。


しかし六凪はむしゃむしゃと美味しそうにゾンビの肉を頬張る。


「本当によく食えるよな、ゾンビの肉なんて。」


「まあね、これだけがあたしの取り柄だからね。」


俺達は先程までいた市営住宅から次の街を目指して歩いていた。


俺の手にはオルゴールのような機械を持っており、そこからは金属を引っ掻くような不快な音が流れている。


これは俺がゾンビの音で獲物を探知する性質を利用して作った機械でゾンビの聴覚を狂わせ動きを鈍らせる機能のある優れものだった。


この機械でゾンビを鈍らせ、斧を持った六凪がゾンビを殺す。


おかげで二人はこの街からゾンビを一匹残らず排除することができ、街を安全に歩くことができるようになった。物資の探索や移動の際にゾンビに殺される危険はなく終末世界だというのに二人の生活はそこそこ豊かなものとなっていた。


それに六凪は非常に不思議な体質を持っている。

六凪はゾンビの肉を喰らうことができるのだ。


基本的にゾンビの身体は腐ってるうえ、ゾンビとなる原因は現在でも解明されてない。


だからこそゾンビを食べるなんて真似をしたら寄生虫、またはウイルスや細菌によってゾンビになってもおかしくはない。


だか六凪はゾンビを食べるし、なおかつゾンビを食べると美味いと感じるらしい。


それだけでもこの世界を生き延びるには十分な体質だが、それだけではなく六凪はゾンビに噛まれてもゾンビに感染しない。


いや、もしかしたら感染しているが故にゾンビの肉を食えて、噛まれても大丈夫な可能性もあるが。


まあとにかく俺と六凪はそれなりに安全にゾンビの蔓延る世界を生きることが出来ている。

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