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幽霊が視える、バーニーがそう言うとグスはプッと吹き出した後にクスクスと笑い始める。
バーニーの顔もにたにたと歪んでいて、二人して僕のことを馬鹿にしているのだ。
「お前、小学生の頃よく泣いて騒いでたよな。幽霊が視えるよ~怖いよ~ってさ」
僕は、それに何も答えない。
「昔は嘘つきだって言って殴って悪かったよ。だけど今は動画をバズらせる為に協力してくれ!」
バーニー達の腹は読めている。
心霊現象的なものをカメラにとらえられればラッキー。それが無理だったとしても、僕のことを霊感があると吹聴するイタイやつとしてネットで晒し上げて皆で笑い者にする魂胆だろう。
「その心霊スポットって、あの立ち入り禁止の森の中にあるっていう洋館のこと?」
町外れにある大きな大きな森。その森には決して立ち入ってはならないとずっと昔から言われていて、実際森はフェンスで囲われている。
その森を奥へ奥へと進んで行くと、真っ白い花が咲く開けた場所に出るらしい。そこには大昔魔女が住んでいたという白亜の洋館が建っているという。
しかしその魔女は魔女狩りで無惨に殺され、今でもその怨念が洋館に留まり続けている。そして洋館に訪れた者に呪いの言葉を吐き、死に至らしめる──というのがこの田舎町に古くから伝わる話だ。
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