独特の語り口とリズムが強く印象に残るお話でした。どこか素朴で無邪気なようでいて、その内側に不穏さや違和感が静かに溶け込んでいて、読み進めるほどにこの町や人々の空気が立ち上がってくる感じがします。女の子の視線や想像がとても生々しく、等身大の憧れや片想いの温度が伝わってきました。説明しすぎない描写のおかげで、読者が自分の感情を重ねられる余地があり、ラストに向かって余韻がじんわりと残ります。童話のようでもあり、どこか少しだけ残酷でもある、そのバランスが心に残る短編だと感じました。
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