ルナが来た

星空の下で静かな波の音がする。


白いフードを被った青年が、海辺の前で焚き木をしている。

パチパチと心の内を言葉にするように、温かな炎が揺れて、静寂な時間が流れていた。


ふと白いフードの青年が顔を上げると、海賊のような格好をした青年が立っていた。

白いフードの青年が声をかける。


「よ、昨日ぶり。」



「来てたのか。」


「ん、お先に。というか久しぶりみたいな流れで挨拶したけど、俺ら毎日会ってるよな」

「確かに。」



海賊のような格好をした青年は、隣か向かい合わせかどちらとも言えない位置に座って


くすんだ緑色のペイズリー柄の布を頭から外すと薪の前にかざした。


「え、船ごとひっくり返った?」


彼は船できたのだろう。水に濡れたバンダナを見ながら白いフードの青年が聞く。


「いや、転倒はしてない。安心してくれ。」


「へぇ、ならよかった。」


お互いに以上のことは聞かず、話さなかった。


「レイ、ルナが来たみたいだな。ようやく。」


「俺ずっと待ってたから。だからリクも協力して。」


「承知。だからここに来た。」


それだけ話すとお互いに、再び薪に視線を戻した。


2人の間に静寂の時間が流れている。

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