第5話 ローランドとリンチュウ・98

「テ、テメェ!」

部下Fは、声も体もガタガタ震えている。逃走を

図(はか)るかもしれない。

ティナは

それを見透かしたように、

「逃さないわよ?」

部下Fは絶望した。楽しかった日々は終わり、すべてが終わる。

ティナが前に出る。部下Fは後退。手斧を構えているが、戦意は喪失している。顔が恐怖に歪んでいた。

「ぬ〜〜!!」

投げた!手斧を。勢いよく宙を飛んで行く。

しかしそれは、両の小太刀で打ち落とされた!

「あ、ああ!」

部下Fはパニックを引き起こしている。

恐怖が彼を支配する。

もう逃げられない。

気付いた時にはティナに向かって

突進していた!

観念したのかもしれない。

ティナは右の小太刀を逆手(さかて)に持ち替え、

低く構える!

部下Fが彼女の間合いに入った!

「我流、回転艶舞(かいてんえんぶ)!」

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