嫌いな母が死んだ日 中編
私が高校生になるころには、家事全般をそつなくこなせるようになっていた
あるとき母親はさらに私に言ってきた、
「あんたも高校生ならアルバイトして家計をたすけな!」
これには、さすがに今迄たまっていた不満をまとめて全部、母にぶちまけた、
「いい加減にして!母さん自分がらくしたいからって私に全部押し付けてどう言うつもり!!」
「なんだい?親に口答えかい?嫌なら出て行きな!ああそうだ、お手伝い券まだ残ってるからこれで・・・」
「いったい何時の話してんの!」
出ていけと言われたら流石に逆らえないので、結局 私はバイトをする事に決め、バイト代の半分を家に入れる事になった
そんなバイトに明け暮れた高校生活も終わり今日は卒業式・・・・
しかし、そこに母の姿は無かった。
頭に来て母の文句を口にしながら家に帰ると、大量のお酒の瓶や缶が転がっており母はテーブルに寄りかかり酔いつぶれていた。
「なんだい?今日はやけに早いじゃないか?」
酔っぱらっているためか焦点があっておらず、呂律も回ってない
「今日はなんの日?私の卒業式の日だよ?母さん一体何してんの!最低!」
私は大学には進学せず地元から少し離れた町の小さな会社に就職することにした、何より早くこの家・・・母から離れたかったから
就職し2年たった頃、私は職場で1つ年上の方とお付き合いすることになった。
彼は結婚前提に・・・と言うから気は進まないが母に遇わせる事にした。
「母さん電話で話したタカシさん、彼は・・・」
「あんた、年収は?」
「チョ!母さん!」
「同じ会社って事はあまり期待出来ないね」
「先月、主任の辞令もらいました。」
タカシさんは母の失礼な物言いにも腹を立てる事無く落ち着いて受け答えしてくれた
「はっ!主任って平社員に毛が生えただけじゃないか!そんな甲斐性じゃうちの芽依はやれないね」
「いい加減にして!私母さんに反対されてもタカシさんと一緒になるから!」
私を制止しタカシさんは母に土下座しこういった。
「確かに僕は未熟者で芽依さんに助けてもらわないと一人前に生活も出来ません、でもいつか必ずお母さんも納得出来る男になって見せます、僕には芽依さんが必要なんです!どうか交際を認めて下さい!」
「母さん・・」
母は立ち上がると窓の外を見ながら小さく
「勝手にしな、もう帰っておくれ」
「お母さんありがとうございます!決して後悔させません!」
私はタカシさんと一緒に実家を後にした。
それから、1ヶ月程たった頃、病院から電話があった
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