嫌いな母親が死んだ日

nayaminotake

嫌いな母が死んだ日 前編

このお話はフィクションです


私の名前は、芽衣、今年で20歳になる 今日は私の母親の葬儀だ。


私は母親が嫌いだった、そんな母親の葬儀に私の口元は緩んだ。


「ねぇ、あれ見て娘さん笑ってない?」

「!?ホントだ、お父さんが亡くなって、たった一人で自分を育ててくれた母親が亡くなったのに何て酷いの!?」


周りから雑音が聞こえたが私は笑むのを辞めなかった。


母親の事を昔から嫌いだったわけではないあれは私が幼稚園の頃、父が不慮の事故で亡くなってからだった


その時の葬儀中の母親の横顔を私はわすれない


私は泣きじゃくり、ふと母親の顔をみたとき母は涙どころか父の遺影をジッと怒った表情で見つめて微動だにしなかった。


父の葬儀から一ヵ月たったころ、母はパートの仕事を再開していた。


幼い私は母に「やだママ行かないで・・・私寂しい一緒にいてー」と泣いて駄々をこねた。

それを聞いた母親は振り返り「もうお父さんは居ないんだから!いつまでも甘えて困らせないで!自分の事は自分でやりな!」


いままで母親からそんな厳しい事いわれた事ない私は驚きのあまり言葉をうしなった。

それから私は母に嫌われたく無い一心で幼いながら洗濯ものは籠にいれたり自分の服は自分でしまったり、できる事は自分でやった。


ある日、母の誕生日に私は「お手伝い券」を何枚か作り母にプレゼントした。


「お母さんこれで私なんでもお手伝いするよ」


わたしは、似顔絵書いてとか肩たたきしてとか言われるのかと期待していたが、母から頼まれたのは意外なお願いだった。


「そうかい、それじゃ私の代わりに晩御飯つくってくれるかい」


「え?晩御飯?私ひとりで??」


「当たり前だろ?私が手出ししたらお手伝いにならないじゃないか」


「う、うん・・・がんばる」

それから私は見よう見まねで料理してみたが、そんな簡単に上手くできるはずもなくそれを食べた母親は・・・


「なんだいこれは、ちゃんと出来るまで毎日晩御飯つくりな」


私は幼いながら母親に怒りを覚え反論した


「そんなの作ったことないのに上手くできるはずないじゃん!もっと肩たたきとかマッサージとか頼むことあるでしょ!」

そういうと母親は「なんでもお手伝いするて言うのはうそかい?なにに券を使おうが私の勝手だろ?」


そういわれ私は掃除、洗濯、炊事を少しづつすることになった。

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