第2話 痛みは続くよどこまでも?
関節リウマチ。
よく聞きますかね?わたしは子供のころ、親戚のおばあちゃんたちが法事で集まると「リウマチが」「どこそこの整形外科が」と必ず話していたので、なんとなく年を取ったら関節が痛くなって、整形外科に行かないといけない病気なのだ。という認識をもって育ちました。
まさか、そのリウマチが自分の身に降りかかるとは!!!
ただ、私が子供のころに比べたら医療が進んでいるので、関節リウマチは自己免疫が自分の組織を異物と誤って認識し、攻撃する病気だと認知が進み、薬物療法が発展しました。今では、関節が破壊されて曲がってしまう人は減ったんじゃないですかね。
「膠原病」と呼ばれるグループに所属する病気です。
それにしてもね……
わたしの症状の出方が変なのか。
なんか変だな、という症状が出るようになってから確定診断が出るまで、実に10年ほどもかかっているんです。
初発は、謎の皮疹が出まくりました。
特に、首からデコルテ。
最初は汗にかぶれてるかなぁ、と思っていたのですが、どうも外で日にあたると悪化する気がする。もちろん、皮膚科で言いました。日光に当たると悪化する気がするんです、と。
笑い飛ばされましたよ!汗に決まってるじゃない、あなた、って。
そうなんですかねぇ……と、そう言うからにはと思ってあまり紫外線対策しなかったあの時の私のバカバカバカ。
そうこうしているうちに、定期的に行っている血液検査で、常に炎症反応が陽性になるようになりました。具体的に言うと、CRPが3程度。
えっと、こう書くと「大したことないよね?」なイメージだと思うんですが、CRPって正常だとほぼ0なんです。0.3を超えると異常値。10を超えると入院勧奨を受けます。3~5だと風邪で38~39度ぐらいの発熱がある状態、ぐらいな感じです。
ちなみにわたし、今までに2回ほど10越えを出して当たり前に入院勧告受けましたが、「乳飲み子がいるので帰ります」とぶっちぎってます(汗)……。ただし、代わりに数日ほど日帰りで点液を受けるのは最低限の条件となり、通いましたが、うーん。正直子連れで入院させてくれるんだったら、絶対入院した方が楽だったと思う。
話がずれました。つまり、風邪症状もないのにCRPが3っていうのがもうずっと続くので、なんかおかしいね?という話になってきました。
そうこうするうちに、世の中にコロナがやってきまして、職場で毎日の検温を強制されるようになりまして……そこではじめて、わたし37度越えの微熱を発していることを発見。平熱はそれまで36度少し超えるぐらいです。
あれ?なに?
そうこうするうちに、ある日突然「蝶形紅斑」と呼ばれる特徴的な発疹が顔に出ました。これは膠原病のうち、全身性エリテマトーデスと呼ばれる病気に特徴的に発現する症状です。
全身性エリテマトーデスの症状は、日光過敏症、皮疹、微熱、と今の自分の症状にピッタリ合致します。さっそく主治医に行って、いつもの血液検査に加えて膠原病周りの検査もしてもらいました。
そうしたら、なんと関節リウマチの可能性が高いと出たのです。
おもわず、関節痛くないしこわばりもないですよ?と先生に聞き返してしまったぐらいです。そこから、膠原病専門のクリニックで見てもらうのですが、疑わしいけど治療する感じの数値じゃないから、または半年後においで、とリリースされました。
で、その半年もたたないうちに、断続的に続いていた微熱が、とうとう38度近くまで上がる状態になって、こりゃおかしい。と、再診で膠原病専門クリニックの門をたたくわけです。
ところがね…やっぱり炎症反応とリウマチ因子が陽性になるだけで、ほかの血管炎とか全身性エリテマトーデスとかの異常値が出ないわけです。
「考えられるのは熱だけ出るリウマチだけど、そんなのない」
という医者の一言で、またもやリリース。
いや、微熱と炎症反応の所見という症状から、ひとまずステロイド処方という手もあるんですが、わたし他の病気でステロイドはあんまり使いたくない状態なので、確定じゃないのにステロイドは処方できないってなったんですよね。
おかしいなぁ。なんだろうなあ。
と思ううちに、年一恒例の乳がん検査の時期が来ました。
あとから思えば、関節に痛みが出ていることに気が付いたのはここで、エコーで腕を頭の上にあげるときに、すんごい痛かったんですよ。腕が上がらない。あら?肩こりひどくなったか?とのんきにも思いましたが…
そこから1か月後。なんか、長く座った後に立ち上ったりとか、立ちっぱなしのところから歩きだすとか、とにかく一つの姿勢を続けた後に動作を始めようとすると、全身が異常にこわばってぎくしゃくする。
相当おかしいんですが、もう謎のおかしな症状に10年近く悩まされていることもあり、この時はあぁまたか……ぐらいでしてね。どうせ病院いっても値はおかしくないからでリリースされるだけなんだし。って。
ところがとうとう、肩が痛すぎて、眠ってると明け方に目が覚めるようになってきたんですよ。寝返りを打とうとすると激痛で起きちゃうの。それで起きたら、もう痛くて眠れない。
横向きで練るのが悪いんでしょうが……私メニエールもあって、真上を向いて寝ると目が回っちゃうのでどうしても横で寝る必要があり……そうすると肩の激痛で目が覚めるという悪循環に陥りまして。
それでもまだ困ったなぁなんてのんきなことを言っていたんですが、椅子に腰かけるのが、手すりとかにつかまらないとできなくなっていて、手すりがないと痛みで体が支えられず、落ちるようというか崩れるようにしか座れなくなってて。
さらにさらに、車の運転も、肩が痛くてハンドル回すの一苦労になってきて。
最初はね。実は五十肩かと思ったんです。とうとう来たか、と。
で、しぶしぶ整形外科に行こうとして(整形外科と皮膚科は激込みだからねえ)準備をして玄関を出ようとして……。
あれ?わたし、関節が痛くなるリウマチの可能性ありって人じゃなかったっけ?
とそこで結びつきまして。
とりま、リウマチ科に行ってリウマチじゃないって診断してもらってから、整形外科に行った方がよくね?
と思い至り、急遽、膠原病クリニックに行くことに決めたのでした。
以前言ってた膠原病専門クリニックは、なんかまたリリースされそうな不安があって、目星をつけていた別のクリニックにしました。
で、そこで改めて血液検査をして、関節が痛いという話もして、ここでとうとうリウマチがめでたく確定したのでした。
な、長い……
で、治療が始まってじゃぁすぐ治ったかというと、まったくそんなことなくて、そもそも最初に飲む薬が効くのが、あなた2か月後なんですってよ!
医師に「この薬どれぐらいで効きますか?(数日?)」って質問して、さらっと「2か月ですね」って答えられたわたしの気持ちになってくださいよ。
2か月も?こんなに痛いの?
結論。はい、痛かったです!!
これまた胃の問題とかほかの病気の問題で、ロキソニン+ステロイドという、当面の痛みを逃す最強の組み合わせが使えなかったのです。結局のところ、痛いと生活にならないのでステロイドは少量使いましたけど。
それでも、この一番痛いピークの時期は、人格が変わってました。痛みで。
で、この最初の薬だけでは不十分で、生物学的製剤の薬(注射ですよ~)が追加になり、これでも足りないので免疫抑制剤がもう一つ追加になりました。
えっと、現在、免疫を抑制する薬を3種類も使っているってことです。
人間、こんなに免疫を抑制しまくっても生きていけるのだなぁと驚いてます。
それでもなお痛い、わたしの体……なんなんだろうか。不思議だ。
次回は、そんなに痛い人の生活の工夫を書きます。
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