あの日の夕焼け
幻のP
あの日の夕焼け
彼の名前は榊原 透、高校2年生の帰宅部です。いつもは授業終わったらすぐに帰りますが、文化祭の準備のために居残っています。彼のクラスでは出し物として劇をするらしいです。透は正直興味ないから最小限手伝うつもりようです。現在クラスでは、役・係決めをしているみたいです。そうして、透は小道具係になりました。
透は上の空で話を聞いていました。その様子に気づいたのは明るくクラスを照らすような女の子、柚木 ひよりです。彼女と透は小学校のころから同じクラスで常にひよりは気にかけていたようです。柚木は透に声を掛けました。
「透くん、ぼーっとしていたけど話の内容わかった?」
「あー、まぁなんとなく。」
「じゃあ今から買い出しに行くよ!」
「え?今から?」
「・・・やっぱりほとんど聞いてない(笑)。小道具でも衣装とか準備しないと始まらないからね。」
「あー・・・わかった。行くのは僕だけ?」
「いや、私も行くよ。」
「わかった。」
このように透はぼーっとし過ぎて話を聞いていませんでした。安い店で仕入れてくるようです。
~30分後~
「このぐらいあれば足りるでしょ!」
「いや、買いすぎな気がするけど」
「このぐらいでいいの! それよりお腹すいてない?」
「まぁ、ぼちぼち。」
「コンビニでなんか買おうよ!」
「いいのか?寄り道して。」
「いいの!なんならお菓子買ってくるようにもいわれてたし」
「なら、いいか」
二人は安い店からの帰り道に某有名なコンビニに行きました。それぞれ好きなお菓子、ジュースをたくさん買ってでてきました。
「もう夕日が沈みだしたねぇ」
透はコンビニから出た瞬間驚きました。夕日に照らされたひよりがきれいにみえたのです。今まですぐ家に帰っていたため夕日などじっくりみることのなかった透にとって、すごく感動的なものでした。
「透くーん!早くいくよー!」
透はハッと気づいたとき、ひよりはコンビニ袋を片手に透を見て叫んでいました。
「今いくよ。」
そういって透はひよりについていき、無事学校につきました。
その後、透は劇の準備をするたびにあの日の夕焼けの感動を思い出していました。あの感動は忘れることはないだろうと。しかし、いつもの帰り道に夕日を見てもあの感動が沸き上がってきません。彼はなせあの日感動したのかを気づかぬまま今日も小道具を作ってすぐ家に帰りました。
Fin
この話はフィクションです。
あの日の夕焼け 幻のP @maboroshi-P
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