第46話 情報交換

 シャノンさんが、デガロ監獄について、幾つか説明してくれた。デガロ監獄は高さ一○メートルの壁で四方を囲まれており、出入り口は南側に一つだけ。中の施設は……。


 南西に、監視者や職員用の施設。北西に、Sランク冒険者相当の力を持った重犯罪者用の牢獄施設。南東に、Aランク冒険者相当の力を持った重犯罪者用の牢獄施設。北東に、Bランク冒険者相当の力を持った重犯罪者用の牢獄施設。中央に、ダンジョン。


 現在、このデガロ監獄に収容されている囚人の人数は、Aランクが二四人、Bランクが四九人の計七三人。ちなみに、Sランクの囚人はいないらしい。


「あのさ。壁が高いだけじゃ、空を飛んで囚人に逃げられるんじゃないか?」


「それなら、大丈夫です。常に壁の外側からデガロ監獄を、結界が覆っていますので」


「なるほど、ねえ」


「許可証をお持ちの方だけが、結界の行き来が可能となっています」


 シャノンさんの説明を聞いた限りだと、やはり簡単に脱獄が出来るとは思えない。


「デガロ監獄からの脱獄は、難しいのは分かったが……。じゃあ、どうやって、ゼヒドはここから脱獄したんだ?」


「そいつは、分からん。奴の脱獄方法に関しては、今も調査中だ」


「ああ、そうかい」


 まだ、何も分かってないのか……。


「わしの方も、ちと訊きたい事がある」


「おお、何でも訊いてくれ」


「ゼヒドの奴が死んだのは、力の暴走と報告にはあったが本当か?」


「ああ、本当だぜ」


「ふむ……」


「本当なら。俺がこの手で、やってやりたかったけどな。黒竜石については、そっちは何か知らないのか?」


「報告にあった、ゼヒドが飲んだという黒い石の事じゃな。残念だが、そちらも調査中だ」


「そうか……」


 果たして、ゼヒドの協力者は、まだデガロ監獄に居るのだろうか? 俺とレッドがここに居る間に、何らかの情報が掴めると良いんだが……。


「今日は取り敢えず、二人は部屋で休むといい。各々の仕事は、明日からとしよう。シャノン、二人を部屋まで案内してやってくれ」


「畏まりました。それでは、お二人のお部屋へ、ご案内させて頂きます。どうぞ、こちらへ。私に、付いてきて下さい」


「あいよ~」


「はい」


 俺とレッドは、シャノンさんの後ろを付いていく。


「こちらが、レッド様のお部屋となります」


「おう……ん? あれ? フェリスちゃんと、一緒の部屋じゃねえの?」


「違いますよ」


「マジかよ! 一緒にしてくれ! 頼む!」


「それは、出来ません。規則となって、おりますので」


 レッドが、酷く落胆している。


 あぶな! レッドと一緒の部屋だったら、俺の身がヤバかった!


 その後、俺も別の部屋に案内された。取り敢えず、今日はもう休もう。また、明日から色々と考えればいいさ。

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