第19話 強引なレイン

「もう少し……だけ」


 ちょちょちょちょ、俺の両肩をがっしりと掴むんじゃねえ!  身動きが取れないんですけど!


 俺の唇とレインの唇が、再び重なる。


「ん……。ん……ちょっと、お兄ちゃ……ん……。もう……ん……」


「フェリス、とっても可愛いよ。俺はフェリスを、心から愛してる」


「はぁ……はぁ……」


 レインさんよう! キスが長いんじゃこらー!


「あ、ありがと、お兄ちゃん……。私も、お兄ちゃんの事が……好きだよ」


 レインに添い寝ドッキリを仕掛けたつもりが……。


 俺の方が、めっちゃドキドキさせられているんですけど!


 何か、疲労感が半端ない。もう、自分の部屋に戻ろう。


「お兄ちゃん、私。もう、部屋に戻るね」


「そうか」


「うん」


 俺は自分の枕を抱えて、レインの部屋を出た。

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