広すぎて見えない世界に
新人
とある人の世界
私はどこを目指しているのだろう。なにをしたいのだろう。分からない。刺激を求めて活動しているけれど刺激はいずれ慣れる。そして、安定する。そうしてまた刺激を求める。世の真理なのか、当たり前なのか意味の分からないことを考えているのは電車の中。周りの人がスマホに飼われているような景色を毎日、毎晩、毎朝どこでも見ている。私も飼われているひとりである。しかし、私はなるべくスマホを見ないように心掛けている。姿勢が悪くなるから。最寄駅か。私の家は最寄駅からさほど遠くはない。しかし、坂道が多く歩きだと体力を奪われる。そのため私は原付バイクという馬に乗って帰るのだ。そして、お風呂に入り、眠る。そんな変らない生活をしているのだ。この生活を聞いて羨ましいと思われたり、退屈だと思われたりされるのは大いに結構。他人からの評価は、使われていない本棚の右奥に置いてきた。しかし、たまに読みたくなって手に取ることもある。そして、後悔してすぐ元の場所に戻す。文学的に考えたらこう表現できるなと考えているのはベッドの中。このまま朝が来なければ今日が永遠に続くのだろう。しかし、朝が来なければ刺激を求めることもできないのだろう。
盾を壊すための矛と矛から守るための盾がそこら中に落ちている。有名人になりたいけど有名すぎたら嫌だ。パートナーがいるけど他のパートナーとも過ごしてみたい。働きたくないけど働かないとお金がない。こんなことばかり考えながら日々を過ごしているのは幸せなのだろうか。悩みをインフルエンサーにまで質問する人がいる。インフルエンサーは動画のネタがないから質問コーナーを行っているが、視聴者は選ばれたら選ばれたで舞い上がるのだろう。実に単純である。しかし、それが嬉しいのも三時間程度。三時間後にはきっとどうでもいい。明日には忘れている。
そんなことばかりを私は考えてしまう。きっと余裕があるからだ。きっと私の世界が広すぎなければ、余裕が無ければこんなくだらないことを考えない。私にとってこの世界はあまりにも広すぎる。見つけたいことも見つからない。
そう思い私は戦争を始めた。これできっと見つかるだろう。
広すぎて見えない世界に 新人 @iwashi_88
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