テレビさん、調子はどうだい?

大木雅矢

はじめに

 オレは小さい時からテレビが好きで、テレビと一緒に生きてきた。


 朝食を取りながらニュースを見て、学校では友達と昨日テレビで見たアニメとドラマの感想を言い合い、お笑い番組の芸人の真似事をした。家に帰ればまたテレビに釘付けになる。中学高校になればスポーツ中継を見始め、部活のせいで帰りが遅くなってくると母にアニメの録画を頼んだもんだ。


 だが、今は猫も杓子もインターネットやサブスクだ。オレもそっちに夢中になっている。当然、オレだけじゃない。家族も友人もだ。


 学生の頃にテレビや雑誌で金のないタレントや漫画家が家にテレビのない事を告白し、貧乏ネタで気を引こうとしていたのをぼんやりと憶えているが、テレビのない家なんか今では全く珍しくない。あったとしてもサブスクをでっかい画面で視聴する為だけのモニターかテレビゲームをする為だけにしか使わないって具合だ。オレもテレビの視聴時間はすっかり減っちゃった。


 多分「懐古主義者」と責められるのを承知で言うけど、オレが子供の頃のテレビ番組の方が面白かった。ただ楽しい、笑えるだけではない。教養を深めるような番組なんかはどの局もあった。


 だが、どの局も同じような興醒めさせるような演出が鼻につく。ネットを見れば昨今のテレビについてオレと同じ意見をもった連中がわんさかいる。

 見ていると「もっとこうすればいいのに」とツッコミたくなる時が多々ある。


 ここでは民放局が3つしかない秋田県に生まれたオレがテレビにまつわる思い出や昨今のテレビ放送への意見、不満、諫言を綴っていく。


 でも、オレはテレビ業界の人間でもなんでもない。読んでいて「コイツは何を言ってるんだ!」と田舎者の世迷言に真面目になって怒っちゃいけないよ。どうか肩の力をぬいて笑い飛ばして欲しい。


 


 

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