クラゲは思っている
人間とは、非常に面倒な存在だ。
特に子供から大人になる過程の女。これほど面倒なものはないと思う。
誰も口に出さない暗黙のルール。
全員がこうでならないといけないと錯覚させる同調圧力。
それについていけないものは、いわゆる社会不適合に近い立ち位置になる。
みんな表向きではニコニコしながら、本人が疑わないギリギリのラインで晒し者にする。とはいえそれが好意にも敵意にも見えてしまうのだから甚だ恐ろしい。
それならばいっそ、一人の方が気楽である。周りの人間と適度に関係を保ちつつ、決して深入りせず、グループにも所属しない、いわゆるボッチ。
友人はいる。だがその友人もまた、信用できない。
存外私は人間不信で、心の底の少し手前まで信用できる相手は学校に二人しかいない。
他はみんな怪しい。
嘘をつく時の女は、どこまでも狡猾で恐ろしいから。
笑顔の下の敵意を一切明確に表してはくれない。いっそのこと幼子のように短絡的で素直であればいいのに。
そうすれば、見えない言葉という刃物で相手を傷つける恐怖に襲われることも、その逆を恐れることもなくなるのだから。
ああ、でもそうしたらもっと人間は対立するだろう。
人間は真の意味で歩み寄れないのだ。
みんな『個性』という対立因子を持っていて、それに対する捉え方も違う。
考えが透けて見えたところで、悪意がまっすぐ届くだけ。
でもやっぱり一度はそうなって欲しい。
僕は心の奥底で、誰かを疑ってばかりだから。
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