最初から定められていた
手を伸ばし、俺がやったことはただ……彼女を抱きしめることだ。
だってそれ以上のことをするわけにもいかない……一応、そこで己自身に必死にストップをかけることは出来た。
けれど俺の行動はそうだったが、綾香は違った。
「……………」
いかんな……ついそのことを思い出すとボーッとしてしまう。
既に風呂での時間は終え、ついさっき綾香が作ってくれた夕飯も食べ終えて……てか綾香の作ってくれたオムライス、めっちゃ美味かったわ。
「……ま~じで美味かった」
風呂場での出来事なんて忘れてしまうくらい……それほどにオムライス含め料理が美味しかった。
だが、こうして綾香の部屋に戻ってきた今……風呂場のことを再び思い出してしまってこうなっているというわけだ。
「……………」
風呂場で何をしたのか……本番はしていないが、エッチなことはした。
傍から見れば……あぁいや見られてたまるかって感じだけど、体がデカい俺が自分よりも小さい綾香にあんな……あんなことってなぁ!?
「……口でされるってあんな感じなんだな」
一言で感想を述べると、凄く良かった。
口の中で転がされる感覚、舌でれろれろと舐められる感覚……その状態で見上げられる感覚、じゅぼじゅぼと下品に響く音を聴く感覚……そしてフィニッシュの際、腰が変になりそうなほどに吸い上げられるような感覚と、全てが初めてで……同時に癖になる感覚だった。
「……やっべえさぁ」
俺の下半身……暴走状態だ。
というのもあんな経験をしてしまったのがいけないというか、てか俺よく夕飯の時忘れることが出来たな……!?
「……あれが高校生かよ」
一切体を隠さなかった綾香は……マジで凄かった。
大きく膨らんだ胸、形の良い尻、ムチッとした太もも……そして綺麗で大切な場所も全部、隠されていなかった。
俺より体が小さいとはいえ、本当に大人顔負けのスタイルだった。
あの光景は……彼女にしてもらったことは、もうしばらく俺の脳裏から離れることはないだろう……でも俺は、これ以上のことを期待してしまっている……どうなってしまうんだろうって。
「お待たせ、天斗君」
「あ、あぁ……」
そしてついに、綾香がこの部屋に戻ってきた。
可愛らしいピンクのパジャマを身に纏っているが、その胸元のボタンは今にも弾け飛びそうなほどにパツパツだ。
「顔、赤いね?」
「綾香も……そう見えるけど」
「それはそうだよ、この後のことを想像しちゃってるから」
「……………」
ベッドに腰かける俺の隣に、綾香も腰を下ろした。
触れ合った肩からはあまりにも熱い体温を感じ、ギュッと腕を抱かれると更に熱さを感じた。
「私ね、天斗君のことが好きなんだよ」
「っ……」
それはヌルッと聞かされた言葉だった。
思わず綾香に視線を向けたその瞬間、彼女に体を押されて柔らかなベッドの上へと倒れ込んだ。
「……ふふっ♪」
「あ……」
クスッと綾香が笑った瞬間、胸元のボタンが弾け飛んだ。
パシンッと音を立ててボタンはどこかへと消え去り、そこから現れたのは綾香の爆乳……下着は着けていたが、トップを隠す物がないタイプの下着だ。
「これ、勝負下着なんだよね――これも全部、天斗君に見せたかったの」
「……………」
「困惑してるよね、どうしてこうなってるんだって」
俺の胸元に指を当て、ゆっくりなぞりながら綾香はそう言った。
頷いた俺に綾香は更に笑みを深め、全身を押し付けるようにしながら体を落とし、俺が少しでも動けばキスをしてしまうほどの距離で彼女は話を再開した。
「街中でナンパをされて、天斗君に助けられた時から私は君が気になるようになった……それから交流を重ねていく内に、その気持ちは強くなって好きになってた」
「……やっぱりそうだったんだ」
「うん――まあそういう過程があってこそだけど、それ以上に大きかったのは天斗君が私の好みど真ん中だった」
「お、俺が好み?」
好きという感情はこれでもかと伝わってきた。
そのことにむず痒さと嬉しさを抱きつつも、俺が好みと言われたのはちょっと……信じられないというか、自分のことを女子に好かれるとは到底思っていないからこそ信じられなかった。
「驚かないでほしいんだけど私……自分よりも体が大きくて、屈強な人に押し倒されたりすること……それを想像するのが好きなの」
「そ、そうなのか……?」
「絶対に勝てない力で押し倒されて、あられもない姿にされて……それでこの体を蹂躙されることをね。これって所謂同人誌みたいな……大人しい女の子が無理やり犯されるとか、そういうのが好き」
その……こういう状況だけどなんつう告白してんだよ綾香は。
だがどうやら言っていることは全て嘘ではないらしく、喋りながら興奮しているのが見て取れた。
しかも、その興奮が最も分かりやすいのが綾香の胸……ぷくっと膨れているのがよく分かる。
「でもそれってね、無理やり犯されるのが好きとはまた違うの。その相手は大きな体というは前提として、優しくて……私のことを大切にしてくれる人が良いの。プレイの一環として酷くされるのはいいけど……とにかく私の癖はこれなの」
「お、おう……」
「天斗君がね? その私の癖にこれでもかとピッタリなんだ。そしてそんな人を私は凄く好きになったの……これって凄くない?」
「……………」
「そうとなれば、後はもう突き進むだけでしょ? 天斗君は自分で言っているように不良とはかけ離れてる……だから私のことを意識させて、一気に引っ張ってしまえばいいんだって」
そしてまた、キスをされた。
啄むようなキスを交わし、体の体温が更に上昇した結果……また頭がボーッとしてきたものの、綾香から視線を逸らせない。
「今日、慎が来たよね? あれ、私がワザと一人だって伝えたの……彼の性格ならきっとここに来ると思ってね」
「……あ、まさか」
「うん――天斗君の嫉妬を利用させてもらったよ」
「マジか……」
そうか……あの時、不敵に笑っていたのはこういうことだったのか。
あの時、微かに捕まえたと言われたのを俺は聞いた……俺はもう、ここから逃げられない……?
「私ね……天斗君のことが好きで好きで仕方ないの……君に見捨てられたら死んじゃおうかなって思うくらい……それだけ好きなの」
「お、重いな……」
「自覚してる……でも、返事は明日の朝でいいよ」
「え?」
「その代わり、今から私ともっと色んなことしよっか」
俺は、この日のことを色んな意味で忘れられないだろう。
それから再びキスをしたかと思えば、すぐに深いキスへと変化し……そうして俺は、綾香との夜を過ごすのだった。
彼女の俺に向く矢印が大きすぎる件 みょん @tsukasa1992
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