初めての経験

俺は衝撃発言をしてきた絹川を見つめる事しかできなかった。

そんなことをしてしまっているのは、毎度おなじみの有村翔です。まさかファミレスが地獄の戦場と解釈できる日が来るなんて思ってなかったです。絹川愛華…ものすごい爆弾を持ってくる後輩だな、本当に。


「…今すぐサボれないかな」

「でもせんぱ~い、退屈って言ってたじゃないですか~」

「ぎく」


確かに、どうせ大学で満喫する予定だった合コンという、物語で言うと大イベントな事を高校生のうちに体験できるというのはかなり貴重な体験だとは思う。退屈ならば尚更このイベントに乗ってかかるべきだと、この秀才(笑)な俺の頭脳がそう呟いている。


「…まぁ、ある程度はファミレスに滞在しようかとは思ってる」

「オッケーってことですね!」

「まぁな」


そうやって喋っていると、何やらチャラそうな男女がやってきましたよっと。あいつらが合コン相手としたらマジで終わるんだけど…俺ら含めると6人で3対3の合コンになるんかな。


――――――――――


「君ちっちゃいね~、いくつなの~?」

「もしかして中学生~?」

「…高校二年生です、一応」

「「うっそ~」」


…チャラチャラした空気に俺は似つかないって、マジ。


という訳で俺は今、合コンに参加してます。ファミレスってこんな個別みたいな席?よく分からないけどさ、こんな広いスペースで食べられるんだね。


…今、俺は質問攻めされてるからね?まあ女子中学生(一年生時)の身長の平均である153.9cmとピッタシだから注目されるのも無理はないだろうけどね。

男二人なんか絹川に話しかけに行ってるもん。まあ行くよな。美少女?だし。いや美しいことに変わりはないよ?だが身長が大きいもんだからね~…いや、俺が小さすぎるだけ?


「かわい~」

「こんなかわいい子がうちの高校にもいたらな~」


という訳で、俺は今、女性二人に挟まれてサンドイッチハーレム状態(?)となっております。俺…疲れてるかもしれない。こんな変な言葉しか生み出せないなんて…まあ初めての経験だもの、マジ仕方ない(みつを?)。


…おっと~?ちょっとちょっと~、女性陣~?その手は何ですか~?

おっと~?人生で初めて俺は頭を、頭をなでられようとしていますよ~?


「ねぇ、撫でちゃっていい?いいよね?」


俺はもはや受け入れようとしていたのだが、それを拒むように払いのけた人物がいた。それは男性陣とかでもなく、意外にも絹川なのであった。絹川は凄く険しい表情で俺を撫でようとした女性陣を見つめていた。


「…先輩に気安く触らないでください」

「あ、いや、これは…」


絹川の圧に女性陣は押されるばかりだ。

弁明しようとする女性陣を容赦なく睨み潰す絹川の顔…見たことないな、うん。男性陣もビビりまくってるもん。


「…私たち、帰ります。行きましょう、せんぱい」

「…わ、分かったが会計は」

「…確かにそうでしたね。お金だけおいておくんで、二度とDMしてこないでください」


…うん、クッソ修羅場みたいな感じでファミレスから抜け出しちゃったよ。


こうして俺の人生初の合コンは、大失敗と言えそうな雰囲気にて終わってしまった。俺はその時、リベンジできるといいなと考えていた。だって最初の

合コンの結果がこれだもの…

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